ETCカードを作りたいけれども、ETCカードの審査がどのように行われているのかわからない、ETCカードの審査に通らないかもしれない、という理由で申し込みに不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ETCカードの審査基準や、審査が甘いETCカードなど、ETCカードの審査について詳しく解説していきます。
目次
ETCカード自体に審査はない
ETCカードは、ETCカード単体で発行されるものではなく、まずクレジットカードを作り、そのカードの追加サービスとしてクレジットカードに紐付けるものです。
そのため、ETCカードの発行自体に審査があるのではなく、ETCカードを紐付けるクレジットカードに審査があります。
つまり、すでにクレジットカードを持っている場合は、新たにETCカード発行の審査を受ける必要はなく、オプションサービスとして申し込むだけでETCカードを作ることができます。
クレジットカードを持っていない場合は、クレジットカードを申し込む際のオプションサービスとしてETCカードを同時発行することができます。
審査なしのETCパーソナルカードを申し込む
はじめに解説した通り、ETCパーソナルカードならクレジットカードがなくても申し込むことができるので、審査に通らない方やクレジットカードが不要という方には一番現実的な方法といえるでしょう。
ETCパーソナルカードは、サービスエリアや事務局で入手できる申込書を使って郵送で申し込む必要があります。
申し込みを行うと保証金の振込依頼書が送られてくるので、コンビニか郵便局で振り込んでください。
入金確認後、2週間程度でETCパーソナルカードが送られてきます。
ETCパーソナルカードでも、カード会社のETCカードと同じように割引料金が適用可能です。
家族カードを発行してもらう
クレジットカードによっては、生計を一にする家族に対して「家族カード」を発行できるケースがあります。
家族カードとは、追加カードの発行により本会員と同等のサービスが受けられるクレジットカードで、オリコカードや三井住友カードなら家族カードでもETCカードが発行できるので便利です。
家族カードの利用分は本会員の口座からまとめて引き落としとなる点には注意が必要ですが、家族カードが発行できるクレジットカードを持っている家族がいる場合は発行をお願いしてみましょう。
家族カード発行時の審査は本会員に対して行われるため、本会員のクレヒスや利用状況などに問題がなければ審査に通りづらい家族に対してもカードが発行されます。
高速情報協同組合発行の法人用ETCカードを作る
カード会社と高速道路会社が発行するETCカードの他にも、高速情報協同組合が発行している法人用のETCカードを作る方法もあります。
申し込めるのは法人または個人事業主となり、審査はありますがクレジット機能は付かないためクレヒスは影響しないのが特徴です。
このため、過去に延滞などのトラブルを起こしたブラックの方でも作れる可能性が残されています。
クレジットカードの審査基準
では、ETCカードを発行するために通過しなければならないクレジットカードの審査は、具体的にどのような基準で行われているのでしょうか。
信用情報に問題があると審査に落ちる
クレジットカードの審査では、信用情報機関に登録されている申込者の情報に問題がないかどうかを必ず確認しています。
信用情報機関とは、カード会社や消費者金融などの金融機関から、個人のクレジットやローンの利用履歴である「信用情報」を集めて管理し、その情報を金融機関が審査に利用できるように提供している機関です。
申し込みを受けたカード会社では、申込者の返済能力を調べるために信用情報機関の情報を必ず参照しています。
そのため、一度ある業者で延滞をして登録されてしまった延滞情報は、その後申し込みをする全てのカード会社に知られることになります。
カード会社では一度延滞などの金融事故情報を起こした申込者を返済能力がないと判断するため、審査に通ることが難しくなるのです。
このような状態を俗に「ブラックリストに載っている」状態と言い、一度ブラックになってしまったら信用情報機関から延滞情報が削除される5年が経過するまでは、新しくクレジットカードやカードローンの契約をすることが難しくなります。
年収などの属性がカード会社の基準に達しなければ審査に落ちる
クレジットカード会社では、職業や勤続年数など、申し込みの際に申告した項目を点数化する「スコアリング」という手法で審査を行っています。
スコアリングでは、「属性」と呼ばれる職業や勤続年数などの項目を、返済能力が高いと推測される順に点数化をしていきます。
例えば勤続年数であれば、長く勤めるにつれて収入が上がり返済能力が高くなると推測できるため、長ければ長いほど点数が高くなります。
スコアリングの結果、各カード会社が独自に設定する基準点数を満たせていなければ、審査に落ちてしまいます。
点数化する属性はカード会社によって異なりますが、安定した収入が得られる職業に就いているほど点数が高くなるという観点はどのカード会社も同じです。
審査の間口が広いカード
クレジットカードの申し込みと同意にETCカードの発行する人が多く、審査を気にされている方も多いでしょう。
ここからは銀行などのクレジットカードより審査が厳しくなく申し込みやすいカードを紹介していきます。
楽天カード
楽天カード
カードの特徴
新規入会&利用で5,000円分のポイントプレゼントキャンペーン中!通常ポイント還元率が高いうえに、楽天市場や楽天トラベルなどの楽天サービスでポイントが貯まりやすい。
CMなどでおなじみの楽天カードは、フリーターや専業主婦でも申し込みが可能な間口の広いクレジットカードです。
楽天カードは、三井住友カードやJCBなどの銀行系カードやオリコやジャックスなどの信販系カードの審査よりもスコアリングで求められる基準が低く、申し込み時点で十分な返済能力があれば審査に通る可能性があります。
年会費無料で、楽天市場の利用でポイント3倍(※特典進呈には上限や条件があります)になるなどポイント還元率が高い点も魅力です。ただし、ETCカードは年会費が550円かかるため注意しましょう。
イオンカード
イオンカードセレクト
カードの特徴
イオングループでのカード利用で20日、30日は5%OFF、毎月5日・15日・25日はポイント2倍、毎月10日はポイント5倍とお得に利用できるカード
イオン銀行が発行しているイオンカードは審査が甘いと言われる流通系カードで、銀行系や信販系のカードよりもスコアリングで求められる点数が低く、審査難易度で通りやすいカードです。
また、イオングループの店舗をよく利用する主婦をターゲットにしているため、主婦でも審査に通りやすい点が特徴です。
ポイント還元率は楽天カードよりも低いですが、ETCカードの年会費を払いたくないという方やイオングループをよく利用する主婦にはこちらがおすすめです。
即日発行可能なクレジットカード
通常クレジットカードの発行には数日~数週間程度かかってしまうので、急にETCカードが必要になった場合には困りますよね。
そのような場合には即日発行可能なクレジットカードに申し込んでみましょう。
エポスカード
エポスカード
カードの特徴
年に4回ある「マルコとマルオの7日間」というキャンペーンでマルイでのショッピングが10%OFFで利用できたり、SHIDAXやBIGECHOなどのカラオケ店で30%OFFになったりと、日常生活でお得に利用できるカード
マルイの店舗や全国5,000店以上の提携店舗でお得に使えるエポスカードは、最短即日で発行することができます。
エポスカードはクレジットカードもETCカードも年会費が無料で、海外旅行損害保険や海外サポートデスクなどの海外旅行向けサービスが充実している点が魅力です。
即日発行するためには店頭でカードを受け取る必要があるため、マルイの店舗が近くにある場合はエポスカードに申し込みをしましょう。
セゾンカード
セゾンカードインターナショナル
カードの特徴
クレディセゾンが発行するセゾンカードの中で、最もベーシックなカード。即日発行可能ということとポイント有効期限がない「永久不滅ポイント」が特徴
セゾンカードは、エポスカードと同様に即日発行できるクレジットカードです。セゾンカードは、クレジットカードもETCカードも年会費が無料で、さらに家族カードも年会費無料で作ることができます。
即日発行するためには店頭でカードを受け取る必要があるため、近くにセゾンカウンターがある場合はセゾンカードに申し込みをしましょう。
審査なしで作れる「ETCパーソナルカード」
どうしてもクレジットカードの審査に通らないという方は、「ETCパーソナルカード」であれば、クレジットカードを作らずにETCカードを発行することができます。
ETCパーソナルカードとは、高速道路6社が共同で発行しているETCカードで、クレジットカードを作らなくてもデポジット(預託金)を担保としたうえで、有料道路の通行料金を銀行口座からの直接引き落としによって支払うことができます。
デポジットの金額が2万円以上と高額で、年会費も1,257円かかるというデメリットがありますが、クレジットカードの審査に通らない場合はETCパーソナルカードを作りましょう。
ETCパーソナルカードとは?
「ETCパーソナルカード」とは、クレジットカードが作れない方や作りたくない方でもETCカードを利用できるように、「東日本高速道路株式会社」、「中日本高速道路株式会社」、「西日本高速道路株式会社」、「首都高速道路株式会社」、「阪神高速道路株式会社」、「本州四国連絡高速道路株式会社」の高速道路6社が共同で発行しているETCカードのことです。※有料道路の支払いにのみ利用可能
年会費とデポジット(保証金)を支払うことで発行できて、一般的なETCカードと同様に利用することができます。
利用した高速道路代金は、1ヶ月単位で利用月の翌月27日に指定した銀行口座より自動振替される仕組みになっています。口座振替の前には前月分の利用明細も発行され、自動振替が完了した翌月には領収書も郵送されます。
ETCパーソナルカードの申し込み方法
ETCパーソナルカードの申し込み方法は以下です。
(1)申込書を作成する
ETCパーソナルカードWEBサービスの “ETCパソカ申込書作成”のページから必須事項をすべて埋めて申込書を作成します。
申込書にはデポジット額を決める項目があるので、予め決めておきましょう。また、カード利用額の引き落とし口座もここで入力します。
WEBサービスで申込書を作る場合にはプリンターとA4サイズの用紙が必要になります。
プリンターが家にない場合には郵送で紙の申込書を取り寄せる方法か、コンビニのネットプリントサービスで申込書を印刷することもできます。また、インフォメーションのあるサービスエリアなどでも申込書が配布されており、その場合は封筒がついてくるため郵送料はかかりません。
紙の申請書を取り寄せる方法
ETCパーソナルカード事務局か、各道路会社のお客様センターに電話を電話かけることで申込書を郵送で送ってもらうことができます。
平日9:00-17:00 土日祝・年末年始は除く
コンビニのネットプリントを利用する方法
ETCカードWEBサービスで作成したPDFファイルの申込書をコンビニのネットプリントサービスで印刷する方法です。
ローソンやセブン-イレブンなどほとんどのコンビニでネットプリントサービスが利用できますが、コンビニによって利用できるサービスが違うので事前に最寄りのコンビニで利用できるか確認しておきましょう。
(2)事務局に申込書を郵送する
作成して印刷した申込書と本人確認書類等の必要書類を同封してETCパーソナルカード事務局宛に郵送します。
入力フォームで申込書を作成した場合は郵送用の封筒キットも印刷が可能です。お手持ちの封筒で送る場合には郵便番号の宛名のみの記入で事務局に届きます。また、送料は申込者負担になります。
ETCパーソナル事務局 宛
本人確認書類
ETCパーソナルカードでは、ETC利用に特化したサービスのため本人確認書類は原則、運転免許証に限定されています。
本人確認書類として運転免許証のコピーが必要になりますが、住所変更している場合は両面のコピーが必要になります。
(マイナンバーの記載がある書類は送付不可)。
運転免許証以外に本人確認書類が必要な場合もあります。
- 【申込者本人が未成年の場合】親権者の同意と親権者の本人確認書類(続柄明記の住民票の写し等)
- 引越しなどで住所変更があったが、やむを得ない事情で運転免許証の住所変更ができない場合は現住所が確認できる電気料金、もしくは水道料金の請求書のコピー(発行日から6ヶ月以内、本人名義のみ)
- 【法人の場合】発行日から6ヶ月以内の法人登記簿謄本または抄本(コピー可)
- 【外国人の場合】申し込み住所と同じ住所が記載された在留カードまたは特別永住者証明書(コピー可)
※申込名や銀行口座が通称名の場合は通称名の記載された住民票(コピー可)
また、重度の障がい者の方もしくは重度の知的障がい者の方で、障がい者本人以外の方の運転で「有料道路における障がい者割引制度」を利用する場合は別途運転免許証以外の本人確認書類が必要になるためETCパーソナルカード事務局に問い合わせが必要になります。
デポジット(保証金)の振り込み
申込書と本人確認書類を郵送すると、後日ETCパーソナルカード事務局より申込みの際に選んだ金額でデポジット振込用の払込取扱票が郵送で届きます。
デポジット金額が28万円以下の場合はコンビニ払い専用払込用紙、30万円以上の場合はゆうちょ銀行専用払込用紙が届きます。
郵便局かコンビニ支払いを済ませると、2週間程度でカードETCパーソナルカードが到着します。
ETCパーソナルカードのメリット
ETCパーソナルカードを作ることで得られるメリットをご紹介します。
ETCカードと同じように利用できる
ETCパーソナルカードは、利用代金に対してポイントが貯まるETCマイレージサービス(別途登録必要)や、休日割引や深夜割引などもクレジットカード会社が発行するETCカードと同様の割引が受けられます。
通常クレジットカードが作れない場合はETCカードも作れないということになるので、割引などを受けることができず通常料金での利用となってしまいますが、ETCパーソナルカードを持つことで、ETCカードを持っているのと同じ条件で高速道路を利用できるようになります。
ブラックでも審査なしで作ることができる
ETCパーソナルカードの最大のメリットは審査なしで作れるということです。
先ほどもご説明した通り有料道路の支払いのみの利用になるため、お買い物や公共料金などの支払いはできませんが、クレジットカードのようにお買い物で使いすぎてしまう心配もなく、過去に支払いの遅延や自己破産などをしてしまいブラック状態でクレジットカードを持つことができない人でも作れるのもメリットです。
ETCパーソナルカードのデメリット
ETCパーソナルカードは審査なしで作れるのがメリットですが、デメリットもあります。
高額なデポジット(保証金)が必要
ETCパーソナルカードを利用するには、高額なデポジット(保証金)を預ける必要があります。
あくまでも保証金なので、カードを解約すると戻ってくるお金ではありますが、数万円単位の金額になるため、負担が大きいことがデメリットとなります。
デポジットは平均利用金額の4倍
ETCパーソナルカードでは、高速道路代金の平均利用月額の4倍の額をデポジットとして預ける必要があります。
例えば、利用金額が5,000円未満の利用では5,000円として計上されるため、最低でも20,000円のデポジット預ける必要があります。
注意しなければならないのは、デポジットは保証金でありプリペイドではないため、預けている金額分だけカードが利用できるということではありません。カードの限度額はデポジットしている金額の80%までとなっています。
▼デポジット金額の計算の仕方▼
平均利用月額 | 5,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 20,000円 |
---|---|---|---|---|
デポジット額 | 20,000円 | 40,000円 | 60,000円 | 80,000円 |
さらに、ETCパーソナルカード公式には
"デポジット20,000円のお客様におかれましては、ETCパーソナルカード利用規約第14条第4項の定めにより、未決済残高がデポジットの一定割合(70%)に達した時点で登録口座から口座振替により増額デポジット20,000円を預託いただきます。"
という注意事項があり、デポジット20,000円で月に14,000円以上の高速代金を利用することがあった場合には追加で20,000円の増額デポジットが必要ということになります。増額分のデポジットは14,000円に達した日以降の、6日または23日に口座振替されます。
(デポジットの増額はデポジットが20,000円の人のみ)
年会費がかかる
ETCパーソナルカードは、デポジット(保証金)とは別で毎年1,257円(税込)の年会費を支払う必要があります。
クレジットカード会社の発行するETCカードの場合は、利用することで実質無料として利用できるものがほとんどですが、ETCパーソナルカードは年会費が割引になるなどの条件はなく、毎年年会費がかかるのもデメリットです。
ETCパーソナルカード利用時の注意点
ETCパーソナルカードは以下の点に注意しなければ利用停止となってしまいます。
- 支払い前の利用金額の合計がデポジットの80%を超える場合
- 利用金額が支払い期日に引き落とされなかった場合
- デポジットの増額依頼に応じなかった場合
- デポジット20,000円の方が、増額分のデポジットを口座振替できなかった場合
利用代金や増額分のデポジットについてなど、支払いについては非常にシビアです。利用停止となってしまった場合、ETCパーソナルカードを利用しようと思ってもETCレーンの開閉バーが開かないようになるため、現金などの別の支払い方法で支払いをする必要があります。
紛失や盗難の場合は事務局に連絡
最低でも20,000円のデポジット(保証金)が入ったETCパーソナルカードですが、万が一紛失してしまった場合は不正利用されないためにもすぐにETCパーソナルカード事務局に電話をして利用停止手続きをしましょう。
クレジットカードが作れない!という人は「Tカード プラス(SMBCモビットnext)」に申し込むのがおすすめ
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カードの特徴
SMBCモビットと三井住友カードが提携する年会費無料カード。独自の審査基準を設けている「消費者金融系カード」のため、クレジットヒストリー(過去の支払い実績)よりも現在の収入を重視される。
発行会社 | 株式会社SMBCモビット | ポイント還元率 | 0.5% |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 申し込み条件 | 年齢満18歳以上で定期収入のある方 |
ETCカード年会費 | 初年度無料(2年目以降、年に1度でもETC利用があれば税込550円が無料) | ポイント | Tポイント |
ETCパーソナルカードは高いデポジット(保証金)が必要になってくる上、ポイントも貯まらないので基本的にはクレジットカードを作ってETCカードを発行するのがおすすめです。
中でも「Tカード プラス(SMBCモビットnext)」をおすすめします。
Tカード プラス(SMBCモビットnext)は、SMBCモビットと三井住友カードが提携した年会費無料のカードです。
一般的なクレジットカードは過去の支払い実績や現在の職業などからお金に困っていない人を評価しているのに対し、お金に困っている人を対象にして発行している「消費者金融系カード」に含まれます。
消費者金融系カードには「ACマスターカード」というカードもありますが、ACマスターカードはETCカードを発行できないカードのため、Tカード プラス(SMBCモビットnext)はETCカード発行可能な唯一の消費者金融系カードということになります。