最近ではキャッシュレス化が進み、クレジットカードでもカードを発行しないデジタルタイプの券種を扱うカード会社も増えてきました。
昔は現金払いが当たり前でしたが、カード払いが浸透し、現在は電子マネーの利用がスタンダードな決算方法になりつつあります。まだキャッシュレスに対応していないお店もありますが、スマートフォン1台あれば現金やカードを持ち歩かなくても良い時代になってきています。
そこで、本記事ではカードを発行しないカードレスのデジタルクレジットカードの特徴とおすすめのカードを紹介していきます。後半ではウォレットアプリへのカード追加から利用法まで解説していますので、カード選びにお役立てください。
目次
カードレスのデジタルクレジットカードの特徴
カードレスのデジタルクレジットカードとは、物理的なカードの代わりにスマートフォンやモバイルデバイス上で使用できるクレジットカードのことを言い、スマホ内のアプリやウォレットアプリに登録することで利用可能となります。
お支払い時はスマートフォンのウォレットアプリからカードを選択して決算用端末に近づけることで清算が完了。オンラインショッピングではサイトにカード番号を登録しておけば決算可能となります。
デジタルカード、ナンバーレス、おサイフケータイなどの違い
デジタルカードをナンバーレスカードやおサイフケータイなどの機能と混同している方向けに各名称について解説します。
- デジタルカード:カード番号のみ発行のクレジットカード
- ナンバーレスカード:カード表面に番号が記載されていないクレジットカード
- おサイフケータイ、ウォレットアプリ:スマホにカードを登録できるアプリ
ナンバーレスカードはカード表面にある凹凸のカード番号が打刻されていないクレジットカードのこと。現在ではセキュリティの観点から、各カード会社共にナンバーレスが主流となってきています。
ウォレットアプリには通常のクレジットカードやナンバーレスカード、デジタルカードも登録することが可能となっており、デジタルカードでないとスマホ決算できないと考えている方もいますが、ウォレットアプリに通常のクレジットカードを登録すれば決算は可能です。
iPhoneならApplepayに対応しているクレジットカードを登録するだけで電子マネーとして利用することが出来ます。
カードレスのデジタルカードは、スマホ決算やネットショッピングのみの利用をメインとし、物理的なリアルカードが必要ない方向けのクレジットカードになります。
デジタルカードの審査は一緒
デジタルカードと聞くと簡単に発行できそうなイメージを持つ方もいますが、通常のクレジットカード同様にカード会社による審査が必要です。
現在発行されているデジタルカードの審査では「18歳以上で安定した収入のある方」が大前提となりますが、専業主婦の方や学生の方も18歳以上であれば親権者や配偶者の収入を元に発行してくれます。
審査基準はカード会社によって違いますが、フリーター、アルバイトの方でも安定収入があれば発行可能なクレカが多いです。
カードレスのデジタルクレジットカードのデメリット
便利なデジタルカードですがスマートフォンを利用することでのデメリットがいくつかありますので注意点を理解してから発行に進みましょう。
スマホの充電管理が必要
現代人のスマートフォン利用時間は1日平均「4時間前後」となっています。最新機種をお使いの方はバッテリーの持ちも良いでしょうが、古い機種をお使いの方だと夕方までに充電が必要なケースもあります。
Applepayなどのウォレットアプリを利用するには電源が入っていないと使えないため、充電切れには注意が必要になります。
スマホが壊れたら使えない
スマートフォンを落としてしまい、画面が割れて表示不可能になった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
画面が損傷しても機能に問題が無ければスマホ決算も可能ですが、AndroidやiPhoneのアプリ利用状況によってはカード選択画面が表示できないと電子マネー決算も行えないので、覚えておきましょう。
電子マネー決算が無いお店で使えない
キャッシュレス化が進んでいますが、昔ながらの飲食店や個人営業のお店では電子マネー決算に対応していないお店もあります。
クレジットカードやPayPayには対応しているけどiDやApplepay、QUICPayに対応していない場合もありますので、初めて入るお店では決算方法を確認する必要があるでしょう。
カードレスのデジタルクレジットカードのメリット
デジタルクレジットカードには多くのメリットがありますので紹介していきます。メリットとしては以下が上げられます。
- 発行スピードが速い
- カードを無くさない
- 他人にカード情報を知られることが無い
- 財布を持つ必要が無い
- 利用明細がスマホアプリで管理できる
- ネットワーク接続は関係ない
クレジットカードの出番が少なく、電子マネー決算ばかり利用している方にはデジタルカードを所持するメリットは大きいです。
発行スピードが速い
デジタルクレジットカードは通常のクレジットカードと違い審査に時間がかかりません。
カード | 審査、発行時間 | カード到着までの時間 |
---|---|---|
デジタルクレジットカード | 最短30秒~10分 | なし |
通常のクレジットカード | 最短30秒~3日程度 | 1週間~3週間 |
審査やカード発行までの時間は申し込む方の状況やカード会社によって違いますが、三井住友カード(CL)では最短30秒で設定されています。デジタルクレジットカードは審査、発行までの時間が「最短5分程度」の券種が多いです。
通常のクレジットカードならカードが到着するまで1週間程度の時間がかかりますが、デジタルカードなら番号発行のみなので、申し込み後に即利用可能になるのが最大のメリットとも言えます。
他人にカード情報を知られることが無い
デジタルクレジットカードなら支払いの際にカードを提示することが無いのでスキミングされたりカメラや写真などの情報からカード番号を知られることがありません。
万が一、財布やカードケースを失くしてしまった場合でも、クレジットカード情報はスマートフォンに入っていますので利用される心配もないでしょう。
財布を持つ必要が無い
毎日の通勤、通学でコンビニや飲食店などの利用しかない時は財布を持つ必要がありません。現金を持ち歩かないことによってカバンの中が軽くなりますし、盗難のリスクさえも無にしてしまいます。
利用明細がスマホアプリで管理できる
デジタルクレジットカードに限ったことではありませんが、利用明細やポイント情報などはカード専用のアプリで一元管理することが可能となります。
カード申し込み時にはハガキによる明細発行は「必要ない」に設定しておきましょう。
アプリには1年ほどの利用明細をさかのぼって確認することもできますし、値段別、お店別などでソートすることも可能なアプリが多く、無駄遣いも一目でわかるようになります。
ネットワーク接続は関係ない
>電子マネーでのクレジットカード決算ではインターネット接続が必要ありません。スマートフォンの電源が入っていれば利用可能です。
楽天ペイやPayPayなどのQRコードやバーコード決算の場合は、インターネット接続からのコード発行になるので圏外の場合は取得できずに利用できませんが、ウォレットアプリはスマートフォンにクレカ情報が入っているため利用できます。
カードレスのデジタルクレジットカードおすすめ
ここからはカードレスで発行されているデジタルカードのおすすめ券種を紹介していきます。
カード | 年会費 | ポイント還元率 | 国際ブランド | 対応ウォレットアプリ |
---|---|---|---|---|
三井住友カード(CL) | 無料 | 0.5% | Visa MasterCard |
Apple Pay ※Google Pay |
セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード | 1,100円(条件無料) | 0.5% | American Express | Apple Pay Google Pay セゾンQUICPay セゾンiD |
SAISON CARD Digital | 無料 | 0.5% | Visa JCB MasterCard American Express |
Apple Pay Google Pay セゾンQUICPay セゾンiD |
Visa LINE Payクレジットカード | 無料 | 1.0% | Visa | Apple Pay Google Pay |
※Mastercardを選択した場合、 Google Pay(Android)はご利用になれません。
三井住友カード(CL)
三井住友カード(CL)
カードの特徴
世界シェアNo.1のVisaブランド。初めてクレジットカードを持つ人でも安心して利用できるセキュリティ性が高い「銀行系カード」。カードの発行はなく、番号のみ発行
発行会社 | 三井住友カード株式会社 | ポイント還元率 | 0.5% |
---|---|---|---|
年会費 | 永年無料 | 付帯保険 | 最高2,000万円(利用付帯) |
電子マネー | iD、PiTaPa、WAON(ApplePay利用可能) | ポイント | Vポイント |
三井住友カード(CL)は、200円(税込)ごとに1ポイント貯められるデジタルカードです。銀行系カードのためセキュリティと安全性に強いため安心して利用可能。
9:00〜19:30の時間帯で、連絡が可能な電話番号をご用意して申し込めば「最短30秒」で発行できるのは、デジタルカードの中でも最速の審査、発行スピードです。申し込みボタンを押したら即審査完了のメールが届くと思っていいでしょう。
急いで利用したい方にもおすすめのクレジットカードです。
Apple Pay、Googlepayを経由したVisaのタッチ決済とMastercardコンタクトレス決済、iD決済のいずれかの方法で決済利用が可能ですが、国際ブランドがMastercard®の場合、 Google Payに対応していないのでAndroidの方は国際ブランドの選択に気を付けましょう。
Visaを選択すれば間違いありません。
通常のポイント還元率は0.5%ですが、対象のコンビニ(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)や飲食店(マクドナルド、サイゼリヤ、ガストなど)では最大5.0%のポイント還元を受けることが出来ます。
三井住友カード(CL)はコンビニや飲食店の利用が多い方におすすめできるデジタルクレジットカードです。
セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード
カードの特徴
年に1度でも利用すれば年会費無料になる「年会費実質無料」で持てるアメックスブランドのカード。即日発行可能でセゾンカード系なので西友やLIVINでも割引が適用される特徴がある
発行会社 | クレディセゾン | ポイント還元率 | 0.5% |
---|---|---|---|
年会費 | 初年度無料(次年度以降は税込1,100円) 年に1度でも利用すれば年会費無料 |
付帯保険 | なし |
電子マネー | QUICPay、楽天Edy、iD | ポイント | 永久不滅ポイント |
セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードはデジタルカードと通常カードの2種類から選択可能。発行スピードはデジタルカードなら「最短5分」となっており、通常カードは最短3営業日です。
カードも発行しておきたい方は「通常発行」を選択すれば、カード決算も利用可能となります。年会費が1,100円かかりますが、年に1度でも利用すれば無料となるので実質無料といえるでしょう。
ポイントは1,000円につき永久不滅ポイントが1ポイント貯まります。1ポイントが5円相当なので還元率は0.5%です。貯まったポイントはAmazonギフトカードなどに交換可能となっており「200ポイント→1,000円分」として交換できます。
QUICPay(クイックペイ)加盟店の店頭で、「Apple Pay」「 Google Pay 」「セゾンQUICPay」のいずれかを使ってお買物をすると、ご利用金額に対して、永久不滅ポイントが最大2%相当(永久不滅ポイント4倍)貯まります。
デジタルカードを選択した場合は、電子マネー決算しか利用しないので常時2.0%のポイント還元ということになります。アメックスブランドは見た目も良く、全国で20,000店のセゾングループ特約店があるため、割引や優待特典も多く受けることが出来ます。
SAISON CARD Digital(セゾンカードデジタル)
SAISON CARD Digital
カードの特徴
最短5分で発行可能なクレディセゾンのセゾンカード。ポイント有効期限がない「永久不滅ポイント」が特徴
セゾンカードデジタルはセゾンパールアメックス同様クレディセゾンが発行するクレジットカード。セゾン系の特典はセゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードとほぼ一緒です。
最短5分で公式スマホアプリ【セゾンPortal】にデジタルカードを発行する永久不滅ポイントを採用したクレジットカードです。永久不滅ポイントは1,000円につき1ポイントが付与されポイント還元率は0.5%となります。
セゾン系の特約店での特典が多く、ガソリンスタンドのapollostation・出光・シェルでセゾンカードを利用すると永久不滅ポイントに加えてPontaポイントも貯まります。
セゾンポイントモールを経由したネットショッピングではポイントが最大30倍貯まるので、楽天、Amazon、Yahoo!を利用するときはセゾンポイントモールを経由するようにしましょう。
デジタルカードはスマートフォンアプリ「セゾンPortal」の「着せかえ」ボタンで複数のデザインから選択可能となっており、気分に合わせてデザインを見つけて変更することもできます。
Visa LINE Payクレジットカード
Visa LINE Pay クレジットカード
カードの特徴
三井住友カード株式会社が発行するLINE Payとの併用に特化したクレジットカード。上位版のLINEクレカ(P+)はポイント還元率5%
Visa LINE Pay クレジットカードはカードレスタイプと通常発行を選択可能としており、クレジットカード利用内容を即時にLINEで確認できる特徴を持っています。
ポイント還元率は1.0%で100円につき1ポイントが還元されます。
LINE Payアカウントに登録することで、事前チャージ不要でLINE Pay加盟店やPayPay加盟店(QRコードを読み取る支払方法のみ)で支払いが可能。残高を気にすることなく利用することが出来ます。
Visa LINE Pay クレジットカードには特約店が存在しないため、どこで利用しても1.0%の還元率となっています。チャージ&ペイによる還元率5.0%の上位カード「Visa LINE Pay クレジットカード(P+)」が存在するため、上位カードを利用するのもいいでしょう。
デジタルクレジットカードの使い方
デジタルカードはスマートフォンにカードを登録して利用します。店舗での利用の仕方やスマートフォンに登録するやり方までを解説していきます。
Android(Google Pay)とiPhone(Apple Pay)で利用するウォレットアプリが違いますので、お使いの端末によって該当のアプリでの登録方法を参考にしてください。
初めて利用する方は緊張しますし、心配だと思いますので、セルフレジで1度実践したり店員さんに聞きながら実践してみるのが良いでしょう。
Google Pay(Android)の登録、利用方法
Google PayはAndroidのスマートフォンで利用できる無料の「非接触型決済サービス」。様々なカードを登録可能で、デジタルカード以外も利用することが出来ます。
▼Google Pay登録方法▼
- Google Playから「Google Pay(Googleウォレット)」をインストールします。
- Google Payアプリを起動し、[カードを追加]を選択
- [クレジット/デビット/プリペイド]を選択
- カメラが起動しますが「カード情報を手動で入力」をタップ
- カード番号、期限、セキュリティコードなどを入力
- Googlepayでの利用を求められるので「続行」をタップ
- 規約を読んで「同意する」をタップ
- SMS認証などの本人確認をして完了
- NFC設定:ホーム画面に戻り、設定画面を開く→接続済みのデバイス→接続の設定→NFCのリーダ/ライタ機能を「ON」にする
▼Google Pay利用方法▼
- お店の出入り口やレジ前に「Googlepay」「QUICKPay」「iD」のマークがあるか確認
- 支払い方法を「クレジットカード払い」や「QUICKPay」と店員に伝える
- 決算端末にスマートフォンを接触させとる
- 決算用端末が反応したらスマートフォンを放して終了
クレジットカードを選択してもスマホのタッチ決算は可能なので、カードを差し込む必要はありません。三井住友カードなどの「Visaのタッチ決算」でポイントを貯めたい方は「クレジットカード払い」を選択しましょう。
suicaやnanacoなどの電子マネーでは画面を起動していなくても反応しますが、「クレジットカード払い」「Visaのタッチ決算」ではスマホを起動していないと反応しません。画面はロックしていても1度画面をタップして明るくなっていれば利用可能です。
高額な支払い(1万円以上)にはスマホのロック解除(パスワードや顔認証)が求められるので対応しましょう。
コンビニの読み取り器ではランプが緑になったら(音が鳴ったら)スマートフォンを放しましょう。読み取り器に接触したままにしておくとエラーになることがありますので注意が必要です。
Apple Pay(iPhone)の場合
ApplePayはショッピングや電車、バスなどの利用時にウォレットアプリに登録したクレジットカードでの決算が可能になるクレカを一元管理できるアプリです。
▼Apple Pay登録方法▼
- iPhoneホーム画面にある「ウォレット」をタップ
- 右上に表示されている「+」をタップ
- 利用可能なカードで「クレジットカードなど」を選択
- Applepayの説明が表示されるので「続ける」をタップ
- カメラが起動するので「カード情報を手動で入力」をタップ
- カード情報(弁護う有効期限、セキュリティコードなど)を入力
- 利用規約に同意
- SMSなどで認証作業を完了すれば利用可能になります
ウォレットアプリに登録したカードはロックボタンを2回押すと立ち上げることが出来ます。カードに「QUICKPay」か「iD」のマークが記載されていますので清算時はマークにあった方法で決算を行いましょう。
▼Apple Pay利用方法▼
- お店の出入り口やレジ前に「QUICKPay」「iD」のマークがあるか確認
- 支払い方法を「QUICKPay」か「iD」と店員に伝える
- iPhoneのロックボタンを2回押してウォレットアプリを立ち上げる
- 決算用端末に接触させて反応したら清算完了
suicaなどは画面の立ち上げなしで利用可能ですが電子マネー決算の場合はウォレットアプリの立ち上げが必要になります。
カードを何枚も登録している方は、ウォレットアプリでメインカードを選択したり、登録カードを削除したりすることも可能となっています。
カードレスのデジタルクレジットカードは三井住友かセゾン系がおすすめ
デジタルカードはまだまだこれからとなっており券種も少ないです。
今回紹介したデジタルカードの中から選ぶとしたら「三井住友カード(CL)」か「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード」がポイント還元率も高く、年会費がかからないのでいいでしょう。
三井住友カードは日本の3大コンビニ「セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート」でのタッチ決算で最大5.0%還元なのが魅力的です。セゾンパールアメックスはセゾンの特約店の多さと、QUICKPayでの決算ならどこでも2.0%還元なのはメリットが大きすぎます。
コンビニや飲食店の利用が多い方は三井住友カード(CL)を、無難に基礎ポイントアップを狙うならセゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードが良いでしょう。
おすすめデジタルカード
- コンビニ、飲食店の利用が多いなら>>三井住友カード(CL)
- QUICKPayで常時2%還元>>セゾンパールアメックス