近年ではクレジットカードを何枚も所有している方が多く、「住宅ローン」や「車のローン」など、新規でローンを組む際は不安に感じる方も多いでしょう。
クレジットカードは持っているだけで借金にはなりません。どういった利用方法だと新規の金融サービス契約の時に影響してくるのか解説いたします。
クレジットカード借金扱いのポイント
- ショッピング枠だけの利用であればクレジットカードは借金扱いにならない
- 気を付けたいのは「分割払い」「リボ払い」「キャッシング枠」
- 新規でローン契約やクレカ発行する際は、過去の支払い滞納や審査落ち履歴の方が審査に悪影響
目次 [表示]
クレジットカードを利用した買い物は借金じゃない
クレジットカードは、現金を使わずに買い物ができる便利な支払い手段です。しかし、「クレジットカードを使う=借金」という誤解を持っている人も少なくありません。
しかし実際には、クレジットカードでの一括払いは借金とはみなされません。
ここでは、クレジットカードの基本的な仕組みや、持っているだけでは借金にならない理由について詳しく解説していきます。
ショッピング利用だけのカードなら問題なし
クレジットカードは、カード会社が利用者の代わりに一時的に支払いを立て替え、後日、利用者がその金額をまとめてカード会社に支払う仕組みになっています。
これは「後払い方式」とも呼ばれ、事前に設定された利用限度額の範囲内で何度でも利用できます。
クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」の2種類があり、ショッピング枠は商品やサービスの購入に利用され、キャッシング枠は現金の借り入れに使われます。
このうちショッピング枠での一括払いは借金には該当しません。
クレカで気を付けたいのはキャッシング枠
クレジットカードは、持っているだけで借金になるわけではありません。あくまで「支払いを後にするための手段」であり、使用しない限り負債は発生しません。
ただし、キャッシング枠が設定されている場合、利用していなくても「いつでも借り入れが可能な状態」と見なされることがあり、住宅ローンや自動車ローンの審査に影響を及ぼすことがあります。
新規の金融サービスに申し込む際に、心配であれば不要なキャッシング枠は解除しておくとよいでしょう。
クレカの所有が借金扱いにならないもの
クレジットカードの利用方法の中には、借金とはみなされないものもあります。
これを理解しておくことで、クレジットカードを安心して利用できます。
一括払いは借金じゃない
クレジットカードの支払い方法において、一括払いであれば借金にはあたりません。一括払いはひと昔前で言うところの「ツケ払い」と同じようなものです。
クレジットカードの入会には審査がありますが、一定の収入や信用情報があると判断された方にのみカードは発行されるので、いわゆる「ツケ払い」が可能となるのです。
一か月という短期間で請求書が発行され、銀行口座から代金が引き落とされる一括払いは借金とはみなされないのです。
現在の利用残高
現在利用した分で、来月支払いのクレジットカード利用額についても、借金扱いにはなりません。
来月支払う分を「分割払い」や「リボ払い」に設定しなおした場合は借金扱いとなるので気を付けましょう。
クレジットカードには利用可能枠が設定されており、カード会社が支払い能力に合った額を設定します。現在の利用状況によってカード会社が利用可能枠を上下することもあります。
利息が発生しないので借金扱いにならない
クレジットカードの支払いサイクルは以下のようになっています。
- 買い物をする
- 請求書が発行される
- 口座引き落としで支払い
カードを使って支払った代金を、カード会社が一時的に立て替える。
利用月の翌月(または翌々月)に請求書が送られる。
指定の銀行口座から利用金額が自動引き落としされる。
この一連の流れの中で、一括払いの場合は手数料や利息が発生しないため、借金には該当しません。
クレカの所有で借金扱いになるもの
クレジットカードの利用方法によっては、借金と見なされる場合があります。
特に「リボ払い」や「キャッシング枠の利用」は、金融機関の審査でも借金として扱われることが多いです。
クレカの分割払い
クレジットカードは簡単に分割払いを利用できますが、分割払いを利用すると年率15~18%程度の利息が付きます。
カード会社からお金を借りて商品を購入したことになるため、分割払いは借金扱いとみなされることがあります。
分割払いは一括返済もできるため、新規でローンを組む際などは、できるだけ分割払いが無い状態にしておくのがベストです。
リボ払いは借金扱い
クレジットカードでも、毎月の支払額を一定にする「リボルビング払い(リボ払い)」は借金扱いとなります。
リボ払いは毎月の支払金額を一定に保つ事ができるというメリットがあり、家計の管理が楽になるサービスです。しかし一般的に手数料がかからない一括払いとは異なり、手数料として15%程度の金利が発生してしまいます。
リボ払いでクレジットカードの利用者が支払い能力以上の商品を購入した場合、カード会社がその代金を立て替えて支払いますが、支払い期間が長期に渡る可能性があるため金利が発生するリボ払いは借金扱いとなってしまうのです。
リボ払いの落とし穴:高金利と返済の負担
リボ払いが危険といわれる理由は主に二つあります。
例えば「残高スライド方式」のリボ払いの場合、カードを使わず返済を行っていれば元本が減っていきますが、大きな買い物をすると支払い残高と支払い額が跳ね上がる恐れがあります。
「定額方式」の場合は大きな買い物をして支払い残高が増えても毎月の支払い額は変わりませんが、その代わりに支払い期間が延びて毎月の手数料(金利)がかさんでしまいます。
どちらも支払い状況が把握しづらい点もリボ払いのデメリットです。
アコムの「ACマスターカード」や、三井住友カードの「エブリプラス」など、クレジットカードの中にはリボ払い専用カードも存在するので申し込みの際には注意が必要です。
キャッシング枠も借金扱いになる
普段何気なく使っているクレジットカードですが、商品代金の支払い以外にも使い道があるのをご存知でしょうか。それが「キャッシング」です。
クレジットカードには大きく分けてふたつの枠があります。商品を購入した際に使用するのはクレジットカードのショッピング枠ですが、もうひとつキャッシング枠と呼ばれる枠があり、クレジットカードでお金を借りる事ができます。
クレジットカードで借りると言ってもその行為は消費者金融と何ら変わりはなく、当然お金を借りるには金利手数料が発生しますので、総量規制の対象となってしまいます。
クレジットカードのキャッシングを一度も利用した事がないという場合であっても常にお金が借りられる状態となっているとみなされ、他社のローンの審査に通らない可能性があります。
キャッシング枠をなくす方法
クレジットカードのキャッシング枠はなくす事も可能です。カード会社の公式サイトには多くの場合マイページがありますので、会員登録を済ませてログインするとキャッシング枠をなくす(取り消す)申請ができるようになります。
JCBカードやイオンカードなどはインターネットでの手続きに対応していないため、インフォメーションセンターに電話で連絡する必要があります。
もし、あまり利用していないクレジットカードがあるというなら、クレジットカードそのものを解約してしまうのもひとつの方法です。年会費がかかるカードであれば節約にもなり一石二鳥でしょう。
キャッシング枠を希望すると年収の3分の1以下しか借り入れができないという「総量規制」によりカード審査が厳しくなり、カードの盗難・紛失による不正利用の保険もキャッシング枠は対象外となっている場合が多いので、基本的にはキャッシング枠を利用しないのがおすすめです。
借金総額を調べる方法
クレジットカードを何枚も持っていたりキャッシングを利用していると借金の総額が分からないというケースもみられますが、信用情報機関への開示請求によって借金の総額を確認する事ができます。
信用情報機関には借金元の金融機関名や契約日と金額、現在の借金残高や返済状況、利用者の住所や氏名、電話番号や勤務先などといった個人情報が登録されています。
開示した際に、以下の情報はローンや分割払いの情報となるので、気になる方はしらべてみましょう。
・賃金業法の登録内容
日本国内の信用情報機関は3つあり、銀行からの借金であればKSC、消費者金融からの借金であればJICC、クレジットカード会社からの借金であればCICの場合が多いと言われていますが、異なるケースもあるため全ての信用情報機関に開示請求を行うと取りこぼしがないでしょう。
KSCは郵送で、JICCは窓口・郵送・スマートフォンで、CICは窓口・郵送・インターネットで開示請求ができます。いずれの場合も身分証や手数料などが必要となり、郵送などの場合は一週間から10日程度の日数がかかります。
借金が一本化できる「おまとめローン」とは?
おまとめローンとは、借り換えを行う事で複数の借金を一本化できる方法で、消費者金融系のおまとめローンと銀行系のおまとめローンがあります。
その中にも支払いの一本化を専門とした「おまとめ専用ローン」や、利用用途を問わないフリーローンをおまとめローンとして使う方法もあります。
おまとめローンのメリット・デメリット
おまとめローンのメリットは、別々に返済するよりも金利を安く抑えられるため借金を減らす事ができる点と、返済日を統一できるため支出などの管理をしやすくなるという点です。
このため複数の業者から借入れを行っている方や、返済計画を立てたいという方におすすめです。例えば、消費者金融からお金を借りている方は銀行系のおまとめローンにすると金利が下がる可能性があります。
便利なように見えるおまとめローンですが、利用の際にはデメリットを把握しておく必要があります。
複数の業者から借入れを行っている場合は貸倒のリスクが高いとみなされるため、おまとめローンにしても金利が安くならないケースがあります。
また、毎月の負担が減る一方で返済期間が延びてしまい、その分利息も増えて借金が減らない可能性もあります。
カードローンやキャッシングと比較すると審査も厳しくなる上、延滞などを起こしている場合は審査に通らない事もあるため、おまとめローンの申し込みは慎重に行わなければいけません。
リボ払いは基本的に対象外
クレジットカードのリボ払いも借金扱いなら、おまとめローンで返済できるのでは?と思いますが、実はリボ払いはおまとめ専用ローンでは返済できません。
おまとめローンは融資を行う業者が肩代わりする形で借金を返済する仕組みとなっているためで、リボ払いは対象外となっています。
クレジットカードのキャッシング枠で借りたお金はおまとめ専用ローンで返済できますが、リボ払いや分割払いなどショッピング枠で利用した分はおまとめ専用ローンでは返済不可能です。
新規でローンを組む際はクレカの借金項目の整理が大切
クレジットカードは便利な決済手段ですが、使い方によっては借金とみなされる場合があります。
一括払いのショッピング利用であれば借金ではなく、通常の買い物の延長として安心して利用可能です。しかし、リボ払いやキャッシング枠を利用すると、金利が発生し、結果的に借金扱いとなるため注意が必要です。
また、複数の借入がある場合は、おまとめローンなどを活用することで、返済を一本化して管理しやすくする方法もあります。クレジットカードを正しく理解し、賢く利用することで、無駄な負担を避けることができます。
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