クレジットカード会社はカード入会審査の時に「他社で審査落ちしているか?」「料金の引き落としが出来ているか」などの情報を細かく見ていきます。
申し込みした本人も閲覧可能な情報ですが、どのように表示されているのか気になる方も多いでしょう。
カード審査のカギを握っているのが「CIC」をはじめとする個人信用情報機関です。審査落ちした場合の記載はCICの「申込み情報」「利用記録」「入金情報」をみれば判断できます。
申し込みしているのに、カードの利用記録や情報が無ければ審査落ちという判断になります。
そこで今回は、個人信用情報機関のCICとは?という基礎知識からその役割、クレジットカード審査に落ちた時にはCICにどう記録されるかも分かりやすくまとめました。
目次
審査落ち、滞納した時のCIC記録の見方
CICでは「審査落ち」「滞納」などの明確な表記はありません。ですが、審査に落ちたことや、料金の支払いが滞っていることは判断できるようになっていますので日ごろの返済などに注意が必要です。
- 審査落ちの時はクレジット情報の表示なし
- 滞納時は「A」マーク記載
上記のようにカードの利用履歴や申し込み情報などは細かく記載されていますので、情報開示を請求すれば本人でも確認することが出来ます。
審査落ちの時はクレジット情報の表示なし
クレジットカードの申し込みを行うと「申込情報」として申し込んだカードや照会会社、名前、電話番号、日付、時間などが細かく記録されます。
カード審査に通過すると「成約情報」として限度額や利用履歴、勤務先や免許証番号などの個人情報が表示されますが、審査に落ちてしまった場合は「申し込み情報」のみでカードの詳細な情報が記載されていません。
- 審査可決=申し込み情報のみ
- 審査否決=成約情報あり
クレジットカード会社は審査時に「成約情報の有無」によって他社のカードの審査に合格したのか判断しています。
すでに審査落ちしてしまったカードがある場合は、「申し込み情報」のみの記載となっているでしょう。
滞納時は「A」マーク記載
クレジットカードの支払いを滞納してしまったときは取引履歴の「入金状況」に「A」や「P」のマークが記録されます。
- 「A」=未入金
- 「P」=一部入金
- 「$」=入金
「入金状況」の欄に未入金を示す「A」や、一部だけ入金されたことを示す「P」が付き、正常に請求通りの入金があった月には「$」のマークが付いているので滞納しているかはひと目で分かります。
入金状況の記録は24ヶ月分が残りますので、料金の支払いが滞っている方が他社カードに申し込んでも否決される可能性は十分あります。
申込情報の保有期間は6か月
CICでの申込情報の保有期間は、照会日より6か月間となっています。
この6か月の間に複数のカードやローンの申し込みを行うと、その数だけ申込情報や照会会社名が記録されるため、お金に困ってカードを作りたい人だと疑われてしまうので注意が必要です。
クレジットカードは後払いで代金を支払ったり、キャッシングでお金を借りられるため、複数の会社に申し込みを行っている利用者は心象が悪くなります。
急ぎでカードを作りたくても、審査に落ちたからといって次々と申し込みを行うのは逆効果なので、審査に落ちたら6か月間は開けてから申し込んだ方が良いでしょう。
申し込みをキャンセルしても、申込情報は残ったままになるため要注意です。
信用情報に不安がある場合は情報開示請求がおすすめ
自分の信用情報に不安がある場合は、手数料を支払ってCICに情報開示請求を行うことができます。CICでは、4通りの方法で開示請求が可能です。
サービス日時・所要日数 | 手数料 | 備考 | |
---|---|---|---|
インターネット | 毎日8:00~21:45(即時確認可能) | 500円(カード払い、キャリア決算) | クレジット等の契約に利用した発信番号を通知できる電話が必要 |
郵送 | 申込から10日程度 | 1,500円(ゆうちょ銀行の定額小為替証書) | 本人確認書類と開示申込書が必要 |
このうちパソコンやスマートフォンを使ったインターネット開示なら即時確認ができます。郵送の場合は10日程度の時間がかかるといった形です。
以前は窓口での対応もしていましたが感染症などの影響により窓口での開示手続きは休止しています。
開示請求を行うと、クレジットヒストリー(クレヒス)と呼ばれるカードやローンの利用履歴が確認可能です。
クレヒスに問題がなければ安心してカードを申し込むことができるので、開示請求を行う価値はあるでしょう。
ここからはCICや個人信用情報機関について深く知りたい方向けの内容を記載していきます。
個人信用情報機関とは?

Credit history report papers and pen.
クレジットカードの申し込み時にはカード会社による審査が行われますが、審査の際に申込者の信用力を判断するために照会されるのが個人信用情報機関に記録されている情報です。
個人信用情報機関とは、割賦販売や貸金業を経営する企業のために信用情報を提供する専門の機関で、国内には以下の3つの個人信用情報機関があります。
- CIC(指定信用情報機関)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
主にこの3つの個人信用情報機関の違いは加盟会員です。
CICにはクレジットカード会社(信販会社)が多く加盟していて、JICCの主な加盟会員は消費者金融となり、KSCは銀行や信用金庫が主な加盟会員となっています。
ただし、カード会社のアメリカン・エキスプレスはCICとJICCの両方に加盟しているほか、CICに消費者金融のアイフルが加盟しているなど例外もあるので注意が必要です。
また、CICとJICCの2機関は「FINE」というネットワークで貸金業法に基づく情報交流が行われていて、CIC・JICC・KSCの3機関は「CRIN」という信用情報ネットワークで繋がっています。
「FINE」では借入残高に関する情報が共有されていて、「CRIN」では延滞や紛失・盗難などの情報が共有されているのが2つのネットワークの特徴です。
個人信用情報機関「CIC」に記録される情報
株式会社CICは、1984年にクレジット会社の共同出資によって設立された個人信用情報機関です。
割賦販売法・貸金業法に基づいた唯一の指定信用情報機関で、主に以下の信用情報の収集を行い、必要に応じてカード会社などに提供を行っています。
- 個人の属性
- 契約内容
- 支払い状況
- 残債額
このうち「個人の属性」とされている詳細な項目は以下の通りです。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 電話番号
- 住所
- 勤務先
- 勤務先電話番号
- 運転免許証など本人確認書類の番号(カード会社が取得した場合)
- 配偶者名(配偶者の同意を得た契約の場合)
また「契約内容」として記録される主な項目は以下のようになっています。
- 契約年月日
- クレジット債務残高
- 年間支払見込額
- クレジット債務または手数料の支払い遅延の有無
契約内容の項目には、リボ払いを利用した際などの支払い回数や契約終了予定日なども含まれています。
続いて、支払い状況の詳細は主に以下のようになっています。
- 請求額
- 入金額
- 残債額
- 返済状況
- 異動発生日
- 終了状況
返済状況の項目では延滞の状況が記録され、延滞解消または破産などの法的手続きなどの補足内容も記録されます。
このように、CICに記録されている情報を照会すると、過去や現在のローンやカードの利用履歴が全てチェックできてしまうのです。
カードの入会審査では返済能力が重視されるため、クレジット債務残高(他社からの借り入れ)が多かったり、支払い遅延(延滞)があった場合は審査通過が厳しくなってしまいます。
「ブラックリスト」は個人信用情報機関の事故情報のこと
ブラックリスト入りするとクレジットカードが作れないという噂がありますが、ブラックリストそのものは実在しません。
61日以上または3か月以上カードの支払いを延滞したり、自己破産などの債務整理を行った場合、個人信用情報機関の信用情報に「異動」という事故情報が残るため、この「異動」が付くことを「ブラックリスト入り」と呼ぶケースがあります。
CICの場合、5年間にわたって異動の事故情報が残りますが、トラブルを起こしたカード会社やその系列会社では社内ブラックとして半永久的にカードが作れなくなる場合もあるので注意が必要です。
審査否決の理由は分からない
CICは信用情報機関であり、加盟しているクレジット会社等から情報を取集し、管理・提供をおこなう会社ですので、CICでは否決された理由はわかりません。
審査をしたカード会社しかわからないのです。そして、その審査方法は公開されていません。
CICの登録内容が事実であれば、訂正・削除することはできませんので、審査に落ちてしまった方はクレジットヒストリーを確認して、これからのクレヒスをキレイにしていくしかないでしょう。