ネットショップの利用やポイント獲得、海外旅行などの利用でクレジットカードを作りたい学生(大学生・短大生・専門学校生)の方も多いでしょう。
本記事では「収入のない学生でもクレジットカードの審査は通るのか」「申し込んだのに審査に落ちてしまった」など、審査落ちの理由や審査の基準を解説していきます。
学生は申し込み資格さえ満たしていれば、ほとんどの場合審査を通過することが出来ます。
ですが、審査が否決されてしまう場合もあるので「甘いはずの審査なのに落ちてしまった」という場合に考えられる原因についても解説していきます。
学生は社会人よりも審査が甘い
学生のクレジットカード審査が甘い理由は以下の通りです。学生の場合や本人よりも親の返済能力が重視されています。
- 職業や年収で判断されない
- アルバイトの有無は関係なし
- これからの利用を見越して審査
- 親の信用情報で判断
職業や年収で判断されない
学生は就職前なので社会人と違って収入のない人がほとんどです。
社会人になってからクレジットカードを申し込む場合は、職業や年収、勤続年数など様々な属性を点数化したスコアリングという方法で審査が行われます。
このような、社会人に対する厳しい審査が無いため、学生の審査は甘いと言われています。
アルバイトの有無は関係なし
学生の審査基準はスコアリング(職業や年収の点数化)の数値が審査結果にほとんど影響しません。
アルバイトをしておらず「年収が0円であっても」「アルバイトの勤続年数が数カ月であっても」それが原因で審査に落ちることはありません。
”学生”というだけで、すでにカードの申し込み条件は満たしており、過去にカードで支払いの滞納をしたなどの問題がなければ、ほとんどの場合審査に通ることができるため、収入がなくても安心してクレジットカードに申し込むことが出来ます。
これからの利用を見越して審査
学生の時から持っていたクレジットカードは社会人になってからも利用する方が多いです。手間を増やしてまで解約する人は少ないでしょう。
クレジットカード会社からすれば、最初の1枚を自分の会社で作ってもらえれば「長く使ってもらえる」「社会人になれば利用額も増える」などメリットはたくさんあります。「若いうちに持っておいてもらおう」という理由で審査を通りやすくしています。
実際、クレジットカード利用者の多くは、若いうちに作ったカードを社会人になってからも使い続けている人が多く、ここで顧客を確保できれば、年会費のかかるゴールドカードへの招待状を送ったり、カード会社がやっている保険の案内を送ったり、キャッシングやリボ払いの案内を送ったりして利益につなげることが可能なのです。
また、学生のうちは限度額を10万円程度と低めに設定してあり、親もまだ働いている世代であることが考えられるため(いざとなれば親からお金を借りられる)、踏み倒されるリスクが少ないというのもカード会社にとってのメリットでしょう。
親の信用情報で判断
学生がクレジットカードを申し込んだ場合、審査で見られるのは親の信用情報です。
社会人であれば個人の信用情報が重視されますが、学生は収入がないケースも多く、信用情報も蓄積されていないため親の信用情報が見られるのです。
このため、親の信用情報にブラックリスト入りするほどの問題(延滞や貸倒など)がなければ、ほとんどの場合カード審査には通るでしょう。
特に学生に特化した学生向けカードの場合、一般カードよりもさらに審査が甘く、機能面でも優遇されているためおすすめです。
学生がクレジットカード審査に落ちる原因
学生は社会人よりも審査が甘いとはいえ、落ちてしまう場合もあります。審査落ちの原因としては以下の理由が考えられます。
- 携帯電話の料金を滞納した
- 短期間に複数のクレジットカードに申し込んだ
- 申し込み内容に誤りや虚偽があった
- 本人確認ができなかった
- 学生証が確認できなかった
- 親のクレヒスに問題がある
順に説明していきます。
携帯電話本体を分割で購入した料金を滞納した
若い人は友達とコミュニケーションを取るために、スマートフォンを購入する人が多いと思いますが、最近のスマートフォンは高額なので、分割で購入されている人も多いはずです。
携帯電話の本体代金を分割払いにしている場合、携帯料金の支払いを滞納すると、クレジットカードやローンの支払い状況を管理している「個人信用情報機関」に延滞情報(事故情報)が登録されてしまい、いわゆる「ブラックリスト」の状態になって、クレジットカード審査に落ちる原因になります。
クレジットカードは関係ないように思うかも知れませんが、携帯電話本体の購入代金を分割で購入した場合は割賦販売契約、つまりローンで購入したことになるため、これまでクレジットカードを持ったことがない人でもブラックリスト状態になっている可能性があるのです。
携帯電話の通話料金や基本料金を未払いにしても個人信用情報機関には延滞情報は記録されませんが、多くの場合、基本料金などと一緒に携帯電話本体の料金も払っていると思うので、支払いの滞納や、何度も返済が遅れるようなことが無いようにしましょう。
もし、ブラックリストに載ってしまった場合は、5年間は新たにクレジットカードやローンの契約をすることは難しくなります。
ブラックかどうかを確認したい場合は「個人信用情報機関のCICにブラックリストかどうかを確認する方法」をチェックしてみてください。
監修者コメント
KSCという銀行系の個人信用情報機関には日本学生支援機構の奨学金を3ヶ月以上延滞した情報が記録されます。
KSCに登録しているクレジットカード会社は少ないですが、ブラック情報は他の個人信用情報機関(CIC、JICC)と共有するシステム(CRIN)があるので、どこのクレジットカード会社に申し込みしても確実に照会されます。
学生ではまだ奨学金の返済はしていないかもしれませんが、将来を考えて奨学金の支払いも延滞しないよう十分注意しましょう。
短期間に複数のクレジットカードに申し込んだ
私たち消費者がクレジットカードに申し込むと、申込情報が個人信用情報機関に登録されます。
カード会社が審査中に個人信用情報機関の信用情報を参照した際に、短期間に複数のカードへの申込情報が残っていると、お金に困っている人・他のカード会社の審査に何度も落ちている人とみなされてしまうため、審査に通りにくくなります。
審査基準はカード会社によって異なるため、申込情報が何件以上あると審査に落ちるという具体的な基準は一概には言えませんが、クレジットカードの申し込みは、1カ月間に1~2件程度に留めておくのが無難です。
申し込み内容に誤りや虚偽があった
郵送で申し込む場合、申込書の記載ミス・記入漏れや文字が読み取れないことが原因で、審査に通らない場合があります。
申込書を記入する際は、誤りや漏れのないように注意し、文字を丁寧に書くようにしましょう。
また、審査に通りやすいようにと申告内容を偽って申し込んでも、審査の中で行われる個人信用情報機関の参照などによりすぐにばれてしまいます。
虚偽の申告がばれると不審な申し込みとみなされて審査に通る可能性が下がるため、申し込みの際は虚偽の申告をしないようにしましょう。
本人確認ができなかった
クレジットカードに申し込む際は、必ず本人確認書類が必要です。
カード会社では、申告した氏名・住所・生年月日が本人確認書類に記載された内容と一致するかどうかを確認しています。
ここで確認がとれなければ、審査に通ることはできません。
一人暮らしの学生の場合、本人確認書類に記載されている実家の住所と住んでいる場所の住所が異なることがあると思いますが、その場合は住んでいる場所の住所が載っている公共料金の領収書などを提出するか、本人確認書類に記載されている実家の住所で申し込みをしましょう。
学生証が確認できなかった
選ぶカードによっては、審査の際に学生証のコピーが必要です。
カード会社では、学生証が本人のものかどうかや、有効期限内であるかなどを確認しており、ここで確認がとれなければ審査に通ることができません。
学生証のコピーが必要になった際は、本人の名前が確認できる、有効期限内の学生証を鮮明にコピーして送付するようにしましょう。
もし学生証を無くしてしまった場合は、学校へ再発行の手続きを取れば学生証を再発行できます。
学生証を再発行する際には警察の「届出受理番号」を尋ねられる場合があるので控えは大切に保管しておきましょう。
親のクレヒスに問題がある
学生が初めてカードを申し込んだ場合は過去のクレヒスが残っていない事が多いので親のクレヒスをチェックされるのですが、この時に過去の延滞記録や貸倒れの情報が残っている「ブラックリスト入り」の状態だとカード審査に落ちる恐れが出てきます。
個人信用情報機関に記録される延滞の情報は延滞の解消から5年間保存されているので、過去5年以内に延滞を起こしている場合は新しいカードを作るのは難しいでしょう。
もし審査落ちしてしまった時の対策
審査を通過することが出来なかった場合は以下の対策がおすすめです。
- 半年後に再申し込み
- カード会社を変える
- プリペイドカード、デビットカードを選択
- アルバイトと一人暮らし
半年後にカード会社を変えて申し込んだり、自身でアルバイトなどの仕事を始めるとクレジットカードを作れる可能性が上がります。
半年後に再申し込み
カードの審査に落ちてしまったなどの情報は個人信用情報機関に登録されています。
ですが、申し込み情報は6ヶ月で消えるので、多重申込で審査落ちになってしまったと思う方は、半年期間を空けてから再申し込みをしてみてください。
心配な方は十分期間を開けてから申し込むのが得策です。
カード会社を変える
カード会社によって審査基準の厳しさには違いがあります。審査の甘いカードに申し込むことで審査を通過できる場合もあるのです。
三井住友カードなどの銀行系クレジットカードは審査が厳しく、楽天カードなどのショッピングサイトを利用するためのカードは審査が優しく設定されています。
特に「学生専用」枠を設けている「学生専用ライフカード」や「JALカード navi(学生専用)」は銀行系のカードよりも審査はあまいでしょう。
プリペイドカード、デビットカードを選択
月に3万円程度の範囲での利用が多く、大きな金額の買い物が無ければプリペイドカードやデビットカードでも代用することができます。
学生の場合はクレジットカードでも上限金額が10万円になることが多いので利用金額は下がりますが、審査のないデビットカードを利用すれば電子マネー機能などは使えるので私生活は十分便利になるでしょう。
アルバイトと一人暮らし
親がブラックリスト入りしているなどで返済リスクがある場合でも、申し込みを行う本人がアルバイトを始めて毎月の収入があり、一人暮らしによって自立が確認できれば審査落ちを回避できる可能性があります。
監修者コメント
審査落ちの原因を解決しなければ何度申し込みしても却下されます。
クレカ審査に落ちた人におすすめのカード
「クレジットカード審査に落ちてしまったけど、どうしてもカード払いをしたい」「審査に通るクレジットカードはもうないの?」という方のためのおすすめカードを紹介します。
過去に支払い延滞があった方でも大丈夫!審査が柔軟なライフカード
ライフカードch(年会費あり)
カードの特徴
「過去に延滞がある方」でも作れるクレジットカード。年会費5,500円(税込)で保険も付帯したライフカードが作れる。ただし、「独自の審査基準」というだけで審査が甘いわけじゃないので注意!
発行会社 | ライフカード | ポイント還元率 | 0.5% |
---|---|---|---|
年会費 | 5,500円(税込) | 付帯保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円 国内旅行傷害保険:最高1,000万円 シートベルト傷害保険:最高200万円 |
電子マネー | 楽天Edy、モバイルSuica、iD | 申し込み資格 | ・高校生を除く18歳以上 ・電話連絡が可能な方 |
これまで「独自の審査基準」という表現を使われているのは20歳以上からしか申し込めない消費者金融のカードのみでしたが、ライフカードでも同様の「クレジットヒストリーよりも支払い能力を重視」というカードができました。
▼「過去に延滞履歴がある方でも審査OK」を公式が明言している珍しいカードです。
この年会費ありのライフカードは、年会費5,500円(税込)がかかってしまう代わりに、他社の審査で落ちてしまうような人でも審査通過できるよう設定しています。
消費者金融のクレジットカードとは違い、リボ払い専用カードではなく、ETCカードも作れ、保険付帯もあり、ポイントもしっかり貯まります。
▼カードの詳細はこちら
デビットカードなら無職でも審査なしで作れる
クレジットカードの審査に通らない人でも、デビットカードであれば職業に就いていない無職の人や、中学生や高校生でも審査なしで作ることができます。
デビットカードとは、大手銀行が発行している決済用のカードの事です。一ヵ月分の利用代金がまとめて引き落とされるクレジットカードとは違い、利用するごとに銀行口座からカード利用料金が引き落とされる都度払い(即時払い)のため、カードの使いすぎを防げるというメリットがあるカードです。
デビットカードは銀行キャッシュカードで買い物ができる仕組みのカードで、大手銀行などではクレジットカードと同じ国際ブランド付きのデビットカードを発行しています。そのためカード加盟店でクレジットカードと同じように買い物ができます。
楽天銀行デビットカード(Visa)
楽天銀行デビットカード(Visa)
カードの特徴
16歳以上から作れる年会費永年無料のデビットカード。ブラックや無職の人でも「審査なし」で作れる、クレジットカードと同様にポイントも貯まるカード
楽天銀行デビットカード(Visa)は、楽天カードと同じ楽天銀行株式会社が発行するデビットカードで、楽天市場や楽天トラベルといった楽天系のサービスで利用することでポイントがお得に貯まるカードです。
デビットカードでも審査に落ちる可能性があるカードもありますが、楽天銀行デビットカード(Visa)は公式サイトで「入会審査不要!」「審査なし」と明確に記載してあるので審査に落ちる心配のない、誰でも作れるカードです。
楽天銀行デビットカードを申し込むには、口座を持っている必要があるので口座を持っていなければ新しく開設しましょう。
楽天銀行の口座であれば、開設と同時にデビットカードを申し込む事ができます。
カードは口座の開設が完了してからおよそ1週間から10日後に本人限定受け取り郵便や簡易書留で送られてきます。
楽天銀行デビットカード(JCB)
楽天銀行デビットカード(JCB)
カードの特徴
16歳以上から作れる年会費永年無料のデビットカード。通常利用時のポイント還元率は楽天カードと同じでデビットカードとは思えないサービス。
入会審査が不要で16歳以上なら誰でも持つ事ができ、人気を集めているのが楽天銀行デビットカードです。
年会費永年無料で口座からの即時払いに対応しているため、使いすぎの心配もありません。
ポイント還元率が高く、100円ごとに楽天ポイントが1ポイント貯まり、楽天市場でのお買い物ならポイントが2倍となるのも人気の秘密です。
JCB系のカードなので、世界中のJCBマークがあるお店で利用する事ができます。
学生におすすめのクレジットカード
楽天カード
楽天カード
カードの特徴
新規入会&利用で5,000円分のポイントプレゼントキャンペーン中!通常ポイント還元率が高いうえに、楽天市場や楽天トラベルなどの楽天サービスでポイントが貯まりやすい。
楽天カードは年会費永年無料のクレジットカードです。日本版顧客満足度指数のクレジットカード部門で9年連続ナンバーワンに輝き、8秒に1回の申し込みがある事からもその人気ぶりがうかがえます。
年会費永年無料で通常ポイント還元率は1.0%、楽天のサービスで還元率がアップするのが特徴で、楽天トラベルやRakoo加盟店は2倍・楽天市場や街の加盟店は3倍(※特典進呈には上限や条件があります。)のポイントが貯まります。
貯まったポイントは楽天で使えるのはもちろんの事、出光でガソリンを給油したり、マクドナルドやくら寿司などでも使えるので食事代を浮かせる事もできます。
審査の専門家コメント
クレジットカードに申し込みするにはアルバイトなどで収入がなければできないと思っていた人もいたかもしれませんね。
この記事を読んだ人は、むしろ社会人よりもカードを作りやすいことがわかったと思います。
特に学生向けカードは日本で発行されている一般カードの中で、最もコストパフォーマンスに優れているクレジットカードです。
このカードが作れるのは学生の時だけなので、学生の皆さんは今のうちに十分に活用してみましょう。
監修者コメント
日本では現金決済が多く、クレジットカードの利用率が先進国の中では低いのが現状です。
しかし、その中でも若い人ほどクレジットカードに抵抗がなく、ショッピング利用に期待ができるという点も、学生に審査が甘くなる理由のひとつです。