現在カードローンやキャッシングなどを利用している方の中には、クレジットカードを作りたいけれども借金(借り入れ)があるとクレジットカードの審査に不利になるのではないかと不安に思っている方も多いと思います。
ここでは、借金はクレジットカード審査に影響するのかについて、詳しく解説していきます。
目次
借金(借り入れ)とは?
まず、借金(借り入れ)とはどういうものなのでしょう?Wikipediaによると、借金の解釈は以下のように説明しています。
会計・経理用語では借入金と言い、負債という勘定科目に入れる。借金は、法律的な用語で言うと、債務の一種である。
(なお、お金を借りるということは、借りる側と貸す側がいて成立するものであるが、お金を借りる側でなくお金を貸す側から見ると(つまり反対側から見ると)、貸すことは「融資」「貸付」などと呼ばれ、貸しているお金は「貸付金」などにあたり、資産という勘定科目に入れられる。)
https://ja.wikipedia.org/wiki/借金
消費者金融や銀行からお金を借りる「ローン」や「キャッシング」、または友人や知人にお金を借りることも全部ひっくるめて「借金」です。
クレジットカードのショッピング利用(一括払い)は借金に該当しない
では、直接お金を借りているわけではなく、支払いを先延ばしにしている「クレジットカードを利用した分の支払い」は借金に該当するのでしょうか?
クレジットカードの利用方法には、買い物などで翌月払いにする「ショッピング」での利用と、お金を借りるための「キャッシング」での利用があります。
キャッシングは当然お金を借りているので借金に該当しますが、カード利用をして翌月一括払いにした場合は借金に該当しません。
ただし、ショッピング利用でも、自動的に分割払いにする「リボ払い」に設定している場合は借金扱いになります。
借金はクレジットカード審査に影響する?
借金の「金額」や「借り入れ件数」はクレジットカードの審査で影響するのでしょうか?説明していきます。
借金の金額が多いと審査にマイナス影響
借金の金額(借り入れ金額)もスコアリングの属性に該当するのでクレジットカード審査でマイナスに影響します。
クレジットカード会社では、職業や勤続年数など、申し込みの際に申告した項目を点数化する「スコアリング」という手法で審査を行っています。
スコアリングでは、「属性」と呼ばれる職業や勤続年数などの項目を、返済能力が高いと推測される順に点数化をして、各カード会社が独自に設定する基準点数を満たせていなければ、審査に落ちてしまいます。
借り入れ金額が少ないほど返済能力が高いとみなされるため、少ない方がスコアリングの点数が高くなります。
また、「総量規制」という決まりによって、貸金業者からの年収の3分の1以上の借り入れが禁止されているため、すでに年収の3分の1以上の借り入れがあるにもかかわらずキャッシング枠を希望した場合、審査に時間がかかったり、場合によっては審査に落ちてしまう可能性もあります。
借り入れ件数が多いと審査でマイナス影響
借り入れ件数も借金の金額と同様、スコアリングで点数化される属性のうちのひとつです。
借り入れ件数が多いと返済能力が低いとみなされ、クレジットカード審査においてマイナス影響になります。
審査基準はカード会社によって異なるため、借り入れ件数が何件以上あれば審査に落ちるという明確な基準は一概には示せませんが、借り入れ件数が3件以上あると審査に落ちる可能性が高くなるカード会社もあるため、他社からの借り入れ件数は1~2件に留めておくのが無難です。
借金の借り入れ件数を減らすためには、金利の安い銀行などの金融会社で「おまとめローン」を利用するのをおすすめします。
借金の情報は個人信用情報機関に登録され、審査時にカード会社にチェックされる
消費者金融や銀行からお金を借りた金額や借り入れ件数は、「個人信用情報機関」に登録されクレジットカードの審査時にカード会社にチェックされています。
そのため、クレジットカードの申し込みの際に少なめに申告したいと考えて偽って申告してもすぐにばれてしまいます。
もしも他社からの借り入れ情報を偽って申し込んだことがばれた場合、不審な申し込みとみなされて審査に通る可能性が下がることがあるので、クレジットカード申し込み時にある「他社からの借り入れ」という項目は必ず正直に申告するようにしましょう。
ある金融業者からお金を借りた場合、借りた金額や返済状況など、全ての履歴情報が個人信用情報機関に登録されているため、他の業者にもすぐに借り入れの状況が知られてしまいます。
クレジットカード審査に影響する借金
借金には、クレジットカード審査に影響する借り入れと影響しない借り入れがあります。
クレジットカードの審査に影響するのは、無担保の借り入れです。申し込みの際に他社からの借り入れについて申告する項目がありますが、そこでも無担保の借り入れに限る旨の説明書きがあります。
無担保借り入れとは以下のような借り入れのことです。
- 消費者金融のカードローン
- 銀行のカードローン
- クレジットカードのキャッシング
無担保の借り入れがある場合は、クレジットカード申し込みの際に必ず申告しましょう。
また、クレジットカードの申込時には記載する必要はありませんが、奨学金や携帯電話の機種を分割払いで購入した料金の支払いも返済を滞納した場合、審査に悪影響になります。
クレジットカード審査に影響しない借金
有担保の借り入れやクレジットカードのショッピング枠利用(一括払い)はクレジットカードの審査には影響しません。
■審査に影響しない借金
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- クレジットカードのショッピング枠(一括払い)利用
このような借り入れは、クレジットカード申し込みの際に申告する必要はありません。
自分の借金の金額を個人信用情報機関で確認する方法
そもそも自分にいくら借金があるのかわからないという方もいると思います。
そのような場合は、個人信用情報機関に対して情報開示の請求をすることで、自分の信用情報や借り入れ金額を知ることができます。現在日本には(株)シー・アイ・シー(CIC)、(株)日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)の3つの信用情報機関があり、それぞれ以下の方法で開示請求ができます。
信用情報機関 | 開示請求方法 | 手数料 |
---|---|---|
CIC | 窓口 | 500円 |
郵送 | 1,000円 | |
インターネット | ||
JICC | 窓口 | 500円 |
郵送 | 1,000円 | |
インターネット | ||
KSC | 郵送 | 1,000円 |
どの個人信用情報機関に開示請求をすればよいかは、どの金融機関からお金を借りているかによります。
クレジットカード会社や消費者金融はCICとJICC、銀行はKSCに加盟していることがほとんどですが、金融機関によっては3つ全てに加盟している場合などもあります。
自分がお金を借りている金融機関を把握している場合は、その金融機関のウェブサイトで加盟している個人信用情報機関を確認してから開示請求しましょう。
不安な場合は全ての個人信用情報機関に開示請求してみましょう。
借金完済(全額返済)をしても滞納した履歴が審査に悪影響になる
ここまで、借金がクレジットカード審査に影響するのかについて説明してきましたが、例え借金完済(全額返済)をしたとしても、返済日を守らず滞納してしまった場合はクレジットカード審査で悪影響になります。
返済日に引き落とし口座に十分な金額が入っておらず、金融会社から電話があってから振り込みをしたなど、多少返済日が遅れた程度であれば審査に影響はありませんが、3か月以上の滞納や、数日でも支払いの遅延を何度も繰り返した場合には個人信用情報機関に「異動情報」という情報が刻まれ、俗にいうブラックリスト状態になってしまいます。
一度ブラックになってしまうと、最低でも5年間はふつうのクレジットカード審査には通ることができなくなってしまいます。