クレジットカードが突然利用停止になってしまったら、驚きとともに「なぜ?」と不安に感じる人も多いでしょう。
利用停止の原因には、限度額の超過や支払い遅延、不正利用の疑いなど、さまざまな理由があります。
場合によっては、カード会社に連絡し適切に対応すればすぐに復旧できることもありますが、長期間の滞納や規約違反が原因の場合は、カードの強制解約につながる恐れもあります。
この記事ではクレジットカードが利用停止になる主な原因やブラックリストについて詳しく解説します。
目次 [表示]
クレジットカードが利用停止になる原因
クレジットカードが利用停止になる理由を6つ紹介します。
支払い遅れ(引き落としできなかった)
カードが止まる主な理由は、支払い遅れ(引き落としができなかった)です。
通常、支払いが1回遅れただけで即座に強制解約されることはありませんが、滞納の期間が長引くと信用情報に影響が出る可能性があります。
また、カード会社によっては、遅延損害金(年率14.6%程度)が発生することも。
長期の滞納は、クレジットヒストリー(クレヒス)に傷がつき、将来的なカード審査やローン審査に影響を及ぼすため、支払い期日を厳守することが大切です。
限度額を超えた
クレジットカードには、それぞれ利用限度額が設定されており、新たな決済ができなくなるだけでなく、場合によってはカードの利用が一時的に停止されることがあります。
限度額を一時的に引き上げられる場合も
有効期限が切れていた
クレジットカードには有効期限が設定されており、期限を過ぎると利用できなくなります。
有効期限はカード表面に「MM/YY」の形式で記載されており、多くの場合、カード会社から新しいカードが期限切れの1〜2か月前に郵送されます。
もし有効期限が切れたのに新しいカードが届かない場合は、下記の項目をチェックしてみてください。
・登録住所が変更されており、カードが旧住所に送付された
・何らかの理由でカードの更新が拒否された(信用情報の変化など)
・郵送時のトラブルによりカードが届いていない
このような場合は、すぐにカード会社に連絡し、状況を確認しましょう。特に、更新カードが発行されないケースでは、別のカードの申し込みを検討する必要があるかもしれません。
不正利用の可能性があると判断された
カード会社は、不正利用を防ぐために不審な取引を検知すると自動で利用を停止するシステムを導入しています。
例えば次のようなケースでは、不正利用の可能性があると判断されカードが一時的に停止されることがあります。
・普段と異なる地域や国での利用(海外旅行時など)
・短期間に高額な決済が繰り返される
・少額決済が多数発生し、急に高額な取引が行われる
・明らかに不審なサイトや店舗での決済
もし正規の取引なのにカードが止まった場合は、カード会社に連絡し本人の利用であることを伝えることで解除できるケースが多いでしょう。
不正利用対策として、利用通知サービスを設定しておくと、身に覚えのない決済にすぐ気付けるため安心です。
海外利用で止められた
海外でのクレジットカード利用時、不正利用の疑いがあると判断され、一時的に利用が停止されることがあります。
これは、カード会社の不正検知システムが、普段と異なる場所での利用を危険とみなすためです。
海外利用で止められるのはあるある?
海外でのカード停止を防ぐためには、出発前にカード会社に渡航予定を伝えておくことが有効です。
また、渡航先のATMでの現金引き出しができるか、現地の決済方法に対応しているかも確認しておくとよいでしょう。
規約違反(現金化など)を行った
クレジットカードの利用規約に違反した場合、カードの利用が即時停止されることがあります。
特に、クレジットカードの現金化(キャッシュ化)は、多くのカード会社の規約で禁止されており、発覚した場合は強制解約やブラックリスト入りのリスクがあります。
現金化とは、カードで購入した商品をすぐに売却し、現金を手に入れる行為を指します。
金券や電子マネーをカードで購入し、それを換金する行為などが該当します。
このような行為は、カード会社だけでなく信用情報機関にも記録され、将来的にクレジットカードの発行やローンの審査に悪影響を及ぼす可能性があるため、絶対に避けるべきです。
また、その他の規約違反として、カードの第三者への貸与や虚偽の申告によるカード発行なども、発覚すればカードの利用停止や強制解約につながってしまいます。
クレジットカードが利用停止になった時の対応策
カードが利用停止になったら焦ってしまいますが、自身のカード利用状況を振り返れば対応策が見えてきます。
ここでは利用停止時の対応策を紹介します。
限度額超えなら、すぐに支払ってリセットする
クレジットカードの利用限度額を超えた場合、新たな決済ができなくなります。この場合、カードの請求額を支払うことで利用可能枠が回復し、再びカードを使用できるようになることがほとんどです。
ただし、即座にリセットされるかどうかはカード会社の処理によります。
リアルタイムでの反映が可能なケースもあれば翌営業日以降に更新されることもあるため、急ぎで利用したい場合は、カード会社に問い合わせるとよいでしょう。
また、一時的な限度額引き上げが可能なカードもあるため、頻繁に限度額を超える場合は、カード会社へ相談してみるのも有効です。
滞納した場合は、至急支払ってカード会社に連絡する
支払いの滞納が原因でカードが停止された場合、まずは未払い分を至急支払うことが最優先です。
カード会社によっては、支払いが確認されれば即座に利用が再開される場合もありますが、システム処理の関係で数日かかることも。そのため、支払い完了後にカード会社へ連絡し、状況を確認することが重要です。
長期間の滞納が続くと、カードの強制解約や信用情報機関への延滞記録(ブラックリスト入り)につながる恐れがあるため、可能な限り早急に対応しましょう。
もし一括での支払いが難しい場合は、カード会社に分割払いが可能かどうか相談するのも一つの方法です。
有効期限切れなら、新しいカードが届いていないか確認する
クレジットカードの有効期限が切れていると、当然ながら利用はできません。
通常、カード会社は有効期限の1〜2か月前に新しいカードを郵送するため、手元に届いていない場合は以下の点を確認しましょう。
・登録住所が変更されていないか(旧住所に送付されている可能性あり)
・カードの更新が拒否されていないか(信用情報の変化などにより更新不可のケースあり)
・郵送トラブルが発生していないか(配送遅延や紛失など)
新しいカードが届いていない場合は、すぐにカード会社へ連絡し、再発行の手続きを進めることが大切です。また、カードの更新が拒否された場合は、別のクレジットカードの申請を検討する必要があります。
不正利用の疑いなら、カード会社へ連絡して調査を依頼する
カード会社が不正利用の疑いを検知した場合、安全のために一時的にカードを利用停止することがあります。
もし正規の利用であるにもかかわらず停止された場合は、カード会社に連絡し、本人確認を行うことで解除されるケースが多いです。
身に覚えのない取引がある場合は、カード会社に調査を依頼し、不正利用が確認された場合はカードの再発行を申請するのが基本的な対応策です。
不正利用を防ぐためには、利用通知サービスを設定するなどの対策も有効です。
カード利用時の通知を設定しておく
規約違反の場合は復活が難しいケースも
クレジットカードの規約違反(例:カードの現金化、第三者への貸与など)が発覚した場合、利用停止だけでなく、カードの強制解約や信用情報機関への登録につながる可能性があります。
規約違反の場合カードの復活は極めて難しく、同じカード会社での再契約はほぼ不可能と考えてよいでしょう。また、信用情報機関に記録が残るため、他社のカード審査にも影響が出る可能性があります。
もし規約違反でカードを失った場合は、信用情報が回復するまで待つか、デビットカードやプリペイドカードなどの代替手段を活用することを検討しましょう。
クレジットカードの復活方法!再び使えるようにするには?
クレジットカードを利用再開させるためにしたいことをまとめました。
滞納の解消やカード会社への連絡
クレジットカードの利用が停止された原因が支払いの滞納である場合、まずは未払い分を至急支払うことが最優先です。
支払いが完了すればカード会社の処理が終わり次第、利用が再開されるケースが多いですが、すぐに反映されないこともあるため注意が必要です。
支払い後に確実に復活させるためには、カード会社に直接連絡し、支払いが確認されたことを伝えるとよいでしょう。
また、滞納の影響でカードが完全に無効になっている場合は、新しいカードの発行が必要になることもあるため、その場合の対応についても確認しておくことが重要です。
一時的な利用停止の場合、何日待てば復活する?
カード会社による一時的な利用停止は、主に限度額の超過、不正利用の疑い、支払いの遅れなどの理由で発生します。一時停止が解除されるまでの期間は、原因によって異なります。
限度額超過 | 支払い完了後、即時または数日で復活(カード会社の処理による) |
---|---|
不正利用の疑い | カード会社に連絡し、本人確認ができれば即時解除のケースも |
支払い遅延 | 支払い後、1〜数日以内に復活することが多いが、状況による |
不正利用の疑いで止められた場合は、カード会社が調査を行うため、解除まで数日かかることもあるので、早めに連絡することが重要です。
強制解約になった場合、次に作れるまでの期間は?
カードの滞納が長引いたり、規約違反を犯したりすると、カード会社によって強制解約されることがあります。この場合、同じカード会社での再契約はほぼ不可能であり、他社のクレジットカード審査にも影響が出る可能性があります。
特に、強制解約の情報が信用情報機関(CICやJICCなど)に記録された場合、その情報が消えるまでの期間は5年間が一般的です。この間、新しいクレジットカードを作るのは非常に難しくなります。
ただし、デビットカードやプリペイドカードなら利用可能な場合もあります。
また、ブラックリスト期間が過ぎた後は、比較的審査が緩いクレジットカード(流通系や消費者金融系)から申し込むと、承認される可能性が高くなります。
クレジットカードの利用停止は「ブラックリスト」になるのか?
クレジットカードが利用停止になった場合、利用停止の原因によって信用情報に影響が出るケースと、ブラックリストにはならないケースがあります。
ここでは、それぞれのパターンを詳しく解説します。
ブラックになる利用停止・ならない利用停止
ブラックになる利用停止と、ブラックにならない利用停止の原因は以下の通りです。
■ブラックになる利用停止の原因
- 滞納した
- 規約違反があった
■ブラックにならない利用停止の原因
- 限度額を超えた
- 有効期限が切れた
- 不正利用された
それぞれの理由をみていきましょう。
滞納した(ブラックになる利用停止)
クレジットカードの支払いを1日でも過ぎると「滞納」となりますが、特に61日以上または3か月以上の滞納をすると、「異動」という事故情報が信用情報機関に記録され、ブラックリスト入りとなります。
異動情報が記録されると、カードの利用停止や強制解約の対象となる可能性が高く、ローンや新規カード発行の審査にも影響が出るため注意が必要です。
カード会社によっては、遅延損害金の請求と利用停止、場合によっては強制解約となるケースも。カード会社の内部記録(社内ブラック)には、1日でも滞納があれば記録が残るため、繰り返すと信用を失う原因になります。
規約違反があった(ブラックになる利用停止)
例えば、クレジットカードを使って現金を手に入れる「現金化」は、多くのカード会社の規約で禁止されており、発覚すると即座に利用停止や強制解約となる可能性があります。
また、クレジットカードは名義人本人のみが利用できるものであり、たとえ家族であっても貸し借りすることは規約違反になります。
他人にカードを貸してしまうと、万が一トラブルが発生した際に盗難補償や紛失補償の対象外となるため、絶対に避けましょう。
限度額を超えた(ブラックにならない)
クレジットカードの利用限度額を超えたことで利用停止になっても、信用情報に傷はつきません。ただし、頻繁に限度額を超えると、カード会社の評価が下がる可能性があります。
限度額を引き上げたい場合は、カード会社に申請することで、一時的または継続的(恒久的)な増額が可能です。ただし、引き上げには審査があるため、過去の利用履歴や支払い状況が影響します。
有効期限が切れた(ブラックにならない利用停止)
クレジットカードの有効期限が切れると、当然ながら利用停止になりますが、これはブラックリストには関係ありません。
カードの更新手続きが正常に行われていれば、新しいカードが送られてくるため、切り替え後すぐに利用を再開できます。
不正利用された(ブラックにならない利用停止)
不正利用の被害者となった場合は、信用情報に影響はなくブラックリスト入りすることもありません。
ただし不正利用が発覚した際はすぐにカード会社に連絡し、指示に従うことが大切です。
強制解約された場合は信用情報に影響が出る
クレジットカードが長期間の滞納や規約違反などで強制解約されると、ブラックリストに登録される可能性が高くなります。
信用情報機関のCICでは「強制解約の記録は残らない」とされていますが、JICC(日本信用情報機構)では「取引事実に関する情報」として強制解約の記録が残るため、結果的にCICやKSC(全国銀行個人信用情報センター)にも情報が共有され、カードやローンの審査に大きな影響を及ぼします。
特にブラックリストに載ると、最低でも5年間はクレジットカードの新規作成やローン審査に通りにくくなるため、強制解約を避けるためにも、カードの適切な管理を心がけることが重要です。
▼まとめ
利用停止の原因 | ブラックリスト入りの可能性 |
---|---|
滞納(61日以上・3か月以上) | あり(信用情報に異動情報が記録される) |
規約違反(現金化・他人への貸与など) | あり(強制解約のリスクが高い) |
限度額超過 | ない |
有効期限切れ | ない |
不正利用の疑い | ない |
強制解約 | あり(JICCに記録が残る) |
クレジットカードが利用停止になった際によくある質問
クレジットカードが利用停止になった際に「これってどうなんだろう…」と気になる事柄について3つ挙げ、それぞれに回答しました。
利用停止になったカードをもう一度作れる?
クレジットカードが利用停止になっただけなら、復活後も引き続き使えます。しかし、強制解約された場合は、同じカード会社で再びカードを作るのは難しいのが一般的です。
特に、長期間の滞納や規約違反(現金化など)が原因で強制解約された場合、信用情報機関に記録が残るため、他社のカード審査にも影響が出る可能性があります。
記録は通常5年間保持されるため、その間は新しいクレジットカードを作るのが難しくなります。この間はクレジットカードの代用として、デビットカードやプリペイド式のカードがおすすめです。
家族カードやETCカードも止まる?
本会員のクレジットカードが利用停止になると、家族カードやETCカードも同時に停止される可能性が高いです。
これらのカードは、本会員のカードに紐づいているため、本会員が利用できなくなると、その影響を受けることになります。
ただし、不正利用の疑いなどで一時的に利用が制限された場合は、家族カードやETCカードが停止されないこともあるため、具体的な対応についてはカード会社に問い合わせるのが確実です。
他に所持しているカードへの影響は?
1枚のクレジットカードが利用停止になったからといって、他のカードまで即座に影響を受けるわけではありません。
ただし、同じカード会社の別カードを持っている場合、1枚目のカードが強制解約になると他のカードも解約される可能性も考えられます。
また、信用情報に遅延や延滞が記録された場合は、他のカード会社がそれを確認し、追加の審査や利用制限をかける可能性があります。
強制解約された場合は、信用情報に「異動情報(ブラックリスト入り)」として登録されるため、新規カードの審査は通らないと考えておきましょう。
クレジットカードの利用停止を防ぐために
クレジットカードの利用停止は、限度額超過、支払い遅延、不正利用の疑い、有効期限切れなど、さまざまな理由で発生します。
利用停止になった場合は原因を特定し、適切な対応を取ることで復活できるケースが多いですが、強制解約となると再びカードを作るのが難しくなるため、日頃から注意が必要です。
万が一、クレジットカードが利用停止になった場合は、冷静に原因を確認し、必要な手続きを行うことで早期復旧が可能です。適切な管理を行いながら、便利なクレジットカードを賢く活用していきましょう。
クレジットカードを安心して使い続けるためのポイント
- 支払期日を守る(自動引き落としの残高不足に注意)
- 利用限度額を定期的に確認する(こまめにアプリや明細をチェック)
- 不正利用防止のための通知設定を活用する
- カードの更新時期を把握し、新しいカードが届かない場合は早めに問い合わせる
▼関連記事
-
-
ブラックリストでも審査が通る・作れるクレジットカードはある?審査通過のコツや選び方
「クレジットカードの審査になかなか通らない」または「ブラックだけどクレジットカードが欲しい」ということで、審査なしで作れるクレジットカードを探している方も多いでしょう。 ですが、残念ながら"審査なし( ...
-
-
ブラックリストでクレジットカードが作れない期間は何年?ブラック情報がいつ消えるか確認する方法も
クレジットヒストリー(クレヒス)と呼ばれる信用情報に傷が付くと「ブラックリスト(異動)」になり、クレジットカードの審査落ちの原因となってしまいます。もしブラックリスト入りしてしまった場合、その情報はい ...
-
-
ブラックリストに載る条件!自分がブラックか確認できるサイトと調べる方法も解説
クレジットカードやカードローンの審査に通らない人は個人情報信用機関に登録されている自分の情報を取り寄せることで、現在ブラックリストになっているかどうかや、登録された日付・原因などを詳細に知ることができ ...
-
-
クレジットカードの【審査難易度ランキング】系統ごとに解説
クレジットカードは発行するクレジットカード会社によって審査基準が異なる上に、カードの色(ゴールド・プラチナ・ブラックなど)や種類によっても審査難易度が異なります。 ここでは、カードを発行するカード会社 ...