国内には数多くのクレジットカードが存在します。俗にいう一般カードからゴールドカードなどいくつかのランク付けがされていますが、なかでもブラックカードは最上位に位置するカードです。
数あるクレジットカード会社のなかでも、ブラックカードを発行している会社はごくわずか。非常に貴重なクレジットカードです。
入会したいと思っても、招待された一部の人しか入会することが出来ません。目にすることが難しいので「幻のカード」ともいわれています。
ブラックカードは一体どんなサービス内容なのでしょうか?今回は5枚のブラックカードをピックアップして詳細を解説していきます。
目次
ブラックカードとは?
クレジットカードにはランクがあり、一般カード→ゴールド→プラチナ→ブラックの順にランクが上がっていきます。
ただし、クレジットカード会社によってはプラチナがなくブラックが最上位、もしくはブラックがなくプラチナが最上位の場合もあります。
基本的に、ブラックカードを発行している会社のプラチナカードやゴールドカードを頻繁に一定金額以上利用し続けていることで招待状(インビテーション)が届き、申し込み資格を得ることができます。
その招待状を貰えるための条件はどこのカード会社も非公開にしており、申し込み資格を得ても審査に落ちる可能性もあるので、審査難易度がもっとも厳しいカードとされていますが、ステイタス性や特典のレベルも高いので、持ってみたいと思う人も多いカードです。
ブラックカードは年会費もハイクラス!
日常的に利用頻度が高く、効率よくポイントを貯めて使うクレジットカードでは年会費無料のものに人気が集まりやすいです。一方で、ブラックカードはそのステイタス性も相まって年会費も驚くほど高額なものがよく見かけられます。
ここで主なブラックカードの年会費・家族会員カードの年会費についてまとめてみました。
クレジットカード名 | 国際ブランド | 本会員の年会費 | 家族会員の年会費 |
---|---|---|---|
アメックスセンチュリオン | AMEX | 550,000 円(税込) 初年度は入会金55万円(税込)が必要 |
配偶者無料・その他家族4人までプラチナ無料 |
ダイナースクラブプレミアム | ダイナースクラブ | 143,000円 (税込) | 無料 |
JCB ザ・クラス | JCB | 55,000円 (税込) | 最大8枚まで(無料) |
ラグジュアリーカード (Black Diamond) |
Mastercard | 66万円(税込) 入会金1,100,000円 |
4枚目まで無料 |
楽天ブラックカード | Mastercard・JCB | 3万3千円(税込) | 最大2枚まで(無料) |
最も年会費が高いのはラグジュアリーカード(Black Diamond)です。初年度は入会金も含めると1,760,000円 (税込)がかかるので、入会費用だけでも相当の費用負担になります。
一方でステイタス性がありつつも55,000円 (税込)で持つことができるJCB ザ・クラスは、比較的年会費が安く感じられる1枚です。
還元率について
ブラックカードやステイタス性のあるカードほど、還元率はそう高くないイメージがあります。しかし、ダイナースクラブプレミアムの2.0%というのはかなりの高還元率といえるのではないでしょうか?
そもそも1.0%のところ、1回払いの場合100円でプラス1ポイントが加算されます。これは今回ご紹介する5枚のブラックカードのなかでも最高の還元率となっています。
クレジットカード名 | 還元率(基本) |
---|---|
アメックスセンチュリオン | 1.0% |
ダイナースクラブプレミアム | 2.0% |
JCB ザ・クラス | 0.5% |
ラグジュアリーカード | 2.0% |
楽天ブラックカード | 1.0% |
「アメックスセンチュリオン」
アメックス自体がワンランク上のステイタス性を持ち、アメックスグリーンでも審査が厳しいとして知られています。
アメックスセンチュリオンは年会費も国内で高額の部類に入り、保有するだけでも相当の資金力がないと維持できないブラックカードです。
取得条件は?
ブラックカードのなかでも最高峰といわれるだけあって、非常に入会困難なカードです。入会条件にクリアしたとしても、会員数の上限がきまっていて、タイミングによっては入会できないともいわれています。
アメックスセンチュリオンに入会するには、アメックスグリーンかアメックスゴールド・アメックスプラチナの順にコツコツと利用実績を積んでいくことが重要です。
年間100~200万円程度の利用実績が必要といわれています。またプラチナになってから数年は、ある程度の利用実績金額があってもインビテーションがこない可能性があるでしょう。数年後にセンチュリオンへの入会招待の連絡が入り、希望すると招待状が届くしくみのようです。
また、入会条件として年収や勤務している企業にも関係があるといわれています。アメックスセンチュリオンを所持している方の平均年収は1億9,800万円と言われており、年収数千万円、一部上場の大企業などがポイントになってくると考えられます。
保険内容
国内外の旅行傷害保険が自動付帯になっています。特に傷害治療・疾病治療については2,000万円という補償内容となっており、他のカードでは見られない手厚い待遇がポイントです。公式サイトなどには明記されていませんが、主に以下の補償内容とされています。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円 | 1,000万円 |
傷害治療(1回のケガにつき) | 2,000万円 | 1,000万円 |
疾病治療(1回の疾病につき) | 2,000万円 | 1,000万円 |
賠償責任 | 1億円 | 5,000万円 |
携行品損害(1旅行につき) | 100万円 | 50万円 |
国内旅行保険も以下のような内容で自動付帯されています。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円 | 1,000万円 |
入院(日額) | 1万円 | ― |
通院(日額) | 6,000円 | ― |
家族特約でも傷害死亡・後遺障害が最高1,000万円まで補償される充実した内容です。入院については事故日から180日を限度とし、通院は事故日から180日以内で90日を限度としています。日額も安心の金額なので、充分に使えるサービス内容です。
コンシェルジュやホテル・メンバーシップなど豪華な特典が
旅行担当のトラベルコンシェルジュ、主に日常のショッピングやグルメなどを担当するパーソナルコンシェルジュが365日いつでもサポートしてくれます。
自分で手配する時間がない、代行してほしい時、かゆい所に手が届くようなサービスを提供してくれるでしょう。
また、ホテル・メンバーシップという上級会員資格を得ることができます。
世界各国の有名ホテル、例えばスターウッド、ヒルトン、シャングリ・ラなどで、部屋のアップグレードはもちろんのこと、朝食無料サービスなど上級会員レベルの待遇を受けられます。
スターウッドはシェラトンやウェスティンなど11のホテル・リゾートが含まれており、国内でも利用しやすいホテルがたくさんあるのが特長です。
その他のサービス内容
エアライン・メンバーシップでの上級会員、プライオリティ・パスが無料など、センチュリオンを保有しているだけで海外旅行をラグジュアリーに楽しむことができます。
さらにトラベルサービスも充実。コンシェルジュ経由で提携先の航空券をお得に購入できるインターナショナル・エアライン・プログラムや、国際線・国内旅行手荷物無料宅配などはお得で便利で人気のサービスです。
国内外のホテル・ツアー予約で知られるエクスペディアは8%割引で利用することが可能です。またセンチュリオン・カード・アシストは、海外旅行中も日本語でサポートしてもらえる専用電話になっているので安心して海外旅行を楽しむことができます。
デメリット
優れたサービス内容とはいえ、1,100,000円という初期費用の高さは大きなネックとなるでしょう。2年目以降も50万円を支払っていくには負担が大きいと感じる人も少なくありません。
ですが、それは一般的な考え方です。年収数億円の方が所持して、数百万円~数千万円を毎月カードで支払うようなライフスタイルを送っていたらどうでしょう。年会費550万円は一般の方の年会費550円程度の感じ方かもしれません。
維持費を考えるなら、ダイナースクラブプレミアムなど他のブラックカードを検討する人も多いです。
サービス内容も含めてアメックスセンチュリオンを持ちたいのであれば、この1枚で国内外にも十分活用できるカードです。
「ダイナースクラブプレミアム」
アメックスと二分する人気・ステイタスを誇るダイナースクラブのブラックカードです。
年会費は数あるブラックカードのなかでも中間の位置で、維持費としてはアメックスセンチュリオンよりも持ちやすいカードです。ブラックカードでもポイント還元率が2.0%という高還元率が魅力のカードです。
取得条件は?
ダイナースクラブプレミアムのインビテーションを得るには、まずダイナースクラブカードに入会して利用実績を積んでいくことになります。年齢は27歳以上、収入の目安としては年収500万円以上がポイントとなってきます。
年間250万円以上を利用し、1年以上はカードを保有しておくことでインビテーションを得ることにつながります。年収の条件は1千万円以上を目安にしておくといいようですが、近年では年収500万円程度でも入会できた例があり、ハードルはゆるくなっている印象です。
保険内容
保険は国内外旅行傷害保険をはじめ、海外航空便遅延費用・キャンセルプロテクション・外貨盗難保険・ゴルファー保険・ショッピングリカバリーなど充実の内容となっています。以下は海外旅行傷害保険の補償内容で、自動付帯なのがうれしいですね。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円 | 1,000万円 |
傷害治療 | 1,000万円 | 200万円 |
疾病治療 | 1,000万円 | 200万円 |
賠償責任 | 1億円 | 2,000万円 |
携行品損害 | 100万円(1旅行につき)1つ10万円限度 | 50万円(1旅行につき) |
以下は国内旅行傷害保険の補償内容です。自動付帯で家族特約もあるのがうれしいです。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円 | 500万円 |
入院(日額) | 5,000円 | 5,000円 |
通院(日額) | 3,000円 | 3,000円 |
手術 | 5・10・20万円(手術の種類による) | 5・10・20万円(手術の種類による) |
この他では、海外旅行中に被害に遭う可能性がある外貨盗難保険では年間10万円を限度に補償してくれます。海外旅行航空便遅延費用保険は、家族特約はないものの、内容によって2~4万円を補償してくれます。
マイル付与率2.0%の高還元率とグルメ関連のサービスが充実
ポイント還元率が2.0%であるのに加え、ポイントが1ポイント1マイルに移行できるダイナースクラブでは、マイルポイントが2.0%の付与率となります。
例えば100万円利用で2万ポイントがゲットできるわけです。国内でも最高といえる率なので、普段からマイルに移行してポイントを利用している人にとっては大変魅力的なサービスです。
また、グルメ関連のサービスも充実しているのが特長です。ダイナースクラブ プレミアム エグゼクティブ・ダイニングでは、決められたコースが1もしくは2名無料になります。ラインナップされているレストランの数も他のクレジットカード会社の類似サービスよりも多いのが魅力的です。
おもてなしプランでは、それぞれ利用できる飲食店に応じて限定の特典が受けられます。料亭プランでは一般の人では予約できないような料亭を予約できるので、一度行ってみたいと思っていた人にとって、夢のひと時を味わうことができます。
その他のサービス内容
専任コンシェルジュがあるのはもちろん、旅行関連の手厚いサービスも魅力のひとつです。例えば一休・comのプレミアサービスの最上級会員であるダイヤモンド会員になれます。通常だと一休・comで直近6カ月に30万円以上利用しないとなれない会員特典がカード1枚で得られます。
また、乗馬クラブ「クレイン」の乗馬体験(4回)の受講料が無料になる特典も注目です。ビジネスクラス・ファーストクラスを2年間で50万円以上の利用実績がなければ入会できないH.I.S.エグゼクティブメンバーズクラブ「CLASS ONE」に無条件で入会できる特典もあります。
ダイナースクラブのプレミアム会員限定で受けられるホテル・旅館宿泊優待では、各地の有名宿泊施設がピックアップされており、ダイナースクラブカードの「国内クラブホテルズ・旅の宿」特典と合わせて利用しやすいサービスとなっています。
デメリット
サービス内容にそれほど魅力がなければ、14万3,000円という年会費を高く感じる人もいることでしょう。デメリットを感じるかどうかは、年会費に見合った使い方ができるかどうかが焦点となります。
コンシェルジュやグルメ関連も、すでに秘書がいてすべて行ってくれるという環境であれば、あまり使わないサービスとなってしまいます。
旅行保険についても、サービス内容はアメックスセンチュリオンと比較すると、傷害治療・疾病治療は半額の1,000万円にとどまり、家族特約の保証金額も少なくなってしまいます。
年会費にかなり違いはあるものの、大手企業のハイグレード層ならアメックスセンチュリオン、中小企業経営者などであればダイナースクラブプレミアムのほうが持ちやすく利用しやすいサービスが多いでしょう。
「JCB ザ・クラス」
JCBが発行するカードのなかで最上位のカードです。これまでJCBカードにはプラチナカードがなく、JCB ザ・クラスをプラチナカードの位置づけと捉える場合もありました。
しかし2017年10月にJCBプラチナが新しく登場したことにより、最上位のJCB ザ・クラスは正式なブラックカードとの位置づけとなっています。
取得条件は?
インビテーションがなければ入会することはできません。入会方法の最短ルートとしては、JCBプラチナに入会し、年間100万円以上の利用実績を積むことが重要になります。年会費に比例して、年収の目安も500万円以上がポイントとなってきます。
ブラックカードとしてはハードルが優しい印象です。しかしJCBはそもそも審査が厳しいほうなので、しっかり着実に実績を積んで信頼を得ていくことが大切です。
保険内容
ブラックカードならではの充実した保険内容で、国内外ともに自動付帯なのが魅力的です。また、家族会員も本会員同様の補償内容に加え、家族特約も付帯しています。ショッピングガード保険も国内外で年間500万円(自己負担1事故3,000円)まで補償してくれるのも安心できます。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円(うち利用付帯5000万) | 1,000万円 |
傷害治療(1回のケガにつき) | 1,000万円 | 200万円 |
疾病治療(1回の疾病につき) | 1,000万円 | 200万円 |
賠償責任 | 1億円 | 2,000万円 |
携行品損害 | 100万円(1旅行につき)自己負担3,000円 | 50万円(1旅行につき)自己負担3,000円 |
国内旅行傷害保険では家族特約はありませんが、自動付帯なのがうれしいポイントです。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円 |
入院(日額) | 5,000円 |
通院(日額) | 2,000円 |
手術 | 5・10・20万円(手術の種類による) |
入院については事故日から180日を限度とし、通院は事故日から180日以内で90日を限度としています。
24時間対応のコンセルジュ
24時間365日対応してくれる専任のコンシェルジュがつくのが特長です。ホテルやレストランをはじめ、航空券や旅行の予約などあらゆる要望を聞いてくれます。専属秘書のような形で利用できるとあって、JCB ザ・クラスの人気サービスのひとつとなっています。
個人で宿泊施設を検索して満室の場合でも、カード会社の押さえていた枠を利用してなんとか宿泊できたという事例もあります。困った時や手続きの代行を頼みたい場合にもってこいのサービスです。
その他の特徴的なサービス内容
年1回受けることができるサービスとして「メンバーズセレクション」があります。選び抜かれたハイクラスのカタログギフトで、好きなものを1つ選んで無料でプレゼントしてもらえます。金額は2~3万円程度ですので、無料でプレゼントしてもらえるにはハイクラスな品質です。
選べるコースはテーマパーク&トラベルコースと厳選ギフトコースです。テーマパーク&トラベルコースでは、ディズニーランド・シーやUSJのスポンサーならではの内容となっています。
2万5千円分のJCBトラベルクーポンや東京ディズニーリゾート ギフトカード(1万円分)とアイテムプレゼント、USJ スタジオ・パス&JCBエクスプレス・パス1引換券(それぞれ2枚組)などがあります。
他のカードには見られないJCBだからこその特典なのがおすすめポイントです。
デメリット
基本的な還元率が0.5%と標準的なのがデメリットではあります。還元率だけでいえばダイナースクラブプレミアムでは2.0%なので、0.5%で魅力を感じる人は少ないでしょう。
また、国際ブランドとしてもVisa・Mastercardに比べると利用できる店舗に限りが出てきます。特に海外での利用を考えているのであれば、利用可能店舗が多いと想定されるブランドを選ぶほうが得策です。
「ラグジュアリーカード」
株式会社アプラスがブラックカードLLCと提携して発行しているラグジュアリーカードは「自分で申し込みができるブラックカード」と「招待制のブラックカード」があります。
招待生のカードがブラックカードの中で最も高い年会費を誇ります。
「ブラックカードが欲しいけれど、インビテーションをもらうのは大変そう。」という人にもチャレンジできるカードです。国際ブランドMastercardのなかでも最上位「World Elite」であり、日本初の希少価値を持っています。
ラグジュアリーカードには4つのランクがあり(Black Diamond・Gold Card・Black Card・Titanium Card)、Black Diamondが最上位カードとなっています。金属製カードのつくりは秀逸で、ひときわ輝く存在感をはなっています。
取得条件は?
Black Diamond・Gold Card・Black Card・Titanium Cardの順にランク付けされており、Gold Card・Black Card・Titanium Cardは自分で申し込みをして入会することができます。
Black Diamondは、先の3つのカードで利用実績を積んでインビテーションをもらうことで入会することが可能になります。自分で入会するのであれば、まずTitanium Cardに申し込むのがベストです。
入会条件は20歳以上ですが、ある程度の社会的地位や信頼性があって審査に通るということもあり、30代からの入会クリアが想定されます。ラグジュアリーカードの申し込み記載例を見ると、年収2,000万円がひとつのハードルとなることでしょう。ただし、過去の入会事例では年収5~800万円程度でもクリアしている人がおり、Titanium Cardであれば入会できる可能性は十分にあります。
保険内容
死亡障害・後遺傷害は最高で1億2千万円という破格の補償内容であり、この金額は他のブラックカードと比較しても最高ランクです。その他海外旅行傷害保険の詳細です。安心の自動付帯なのがうれしいです。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億2,000万円 | 1,000万円 |
傷害治療(1回のケガにつき) | 200万円 | 200万円 |
疾病治療(1回の疾病につき) | 200万円 | 200万円 |
賠償責任 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | 100万円(1旅行につき) | 100万円(1旅行につき) |
賠償責任は家族特約でも1億円補償されるのが魅力的です。一方で、傷害治療・疾病治療が本会員・家族会員・家族特約ともに200万円と低めなのが弱点ではあります。アメックスセンチュリオンですと2,000万円、ダイナースクラブプレミアムやJCBザ・クラスであれば1,000万円と、金額にかなりの差があるのがよくわかります。
旅行保険でもよく利用されるのが傷害治療・疾病治療ですので、別にカードを持つことで補うこともおすすめです。
国内旅行傷害保険については以下の通りです。上記で解説した3つのブラックカードと異なり、利用付帯となっています。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億2,000万円 |
入院(日額) | 5,000円 |
通院(日額) | 3,000円 |
家族特約が付帯しておらず、手術費用も補償に入っていませんが、障害死亡・後遺障害については最高で1億2,000万円というのは魅力的な金額です。
コンシェルジュサービスが利用できる
ラグジュアリーカードには4つのランクがありますが、どのランクでも24時間365日対応のコンシェルジュサービスを利用できます。券種に関わらず利用できるのがメリットです。ただし、各種手配などで別途手数料が発生する場合があるのが気になるポイントです。
旅行先で大切な時間をじゅうぶんに活用したい、満室で利用できる宿泊施設が見つけられないなどさまざまな状況で個人秘書のように対応してくれます。電話・メールでも対応してくれるので、スマートに代行をお願いすることが可能です。
その他の特徴的なサービス内容
ブラックカードだからこそ、旅行関連・グルメ関連にも強みがあります。VIPホテル&トラベルプログラムは、世界各国のホテルなど高級宿泊施設で部屋のアップグレードなどの優待を受けることができます。H.I.S関連ではCLASS ONEに無条件で加入でき、The Ryokan Collectionではカード会員用に特別に用意された特典を受けることができます。
グルメ関連でもLuxury Table・Luxury Dining・Luxury Upgradeなどをはじめとして、それぞれのカードランクに応じて優待サービスを受けることができます。ラグジュアリーリムジンは、Luxury Tableで利用した隠れ家的レストランなどと自宅をリムジンで無料送迎してくれるサービスです。ディナーのみでGold Card(行きか帰りか)、Black Card(行きのみ)が利用でき、東京23区をはじめ関東・関西主要部など一部地域に限り利用できるようになっています。
デメリット
マイル付与率が低めなのがデメリットのひとつです。通常では国内0.3%、海外0.6%となっています。ダイナースクラブプレミアムは2.0%という数字と比較すれば、かなり残念な数字ともいえるでしょう。
金属製カードは見た目も華やかで希少性も高いのですが、プラスチック製にしたくても変更することはできません。金属製のみ発行されているので、一部の店舗など利用範囲に制限が出てきてしまうのは不都合に感じるでしょう。
特に海外などでトラブルがあった場合には対処方法に困る可能性もあります。金属製でコストがかかっていることもあり、家族会員カードの発行にも年会費がかかります。他のブラックカードでは家族会員は年会費がかからないことも多く、その点もデメリットになります。
「楽天ブラックカード」
ブラックカードのなかでも年会費が非常に格安の印象が強い楽天の最上位カードです。楽天にはプラチナカードがないためプラチナカードとの位置づけをされることもあり、実際のサービス内容も他のクレジットカード会社のプラチナに近い存在です。
しかしもともと高還元率の楽天カードだからこそのメリットも多く、年会費を支払うに十分な価値を持っています。
取得条件は?
年会費は比較的安価な一方で、そう簡単に入会できないといわれています。そもそも楽天ブラックカードは公式サイトから自分で入会申し込みすることができますが、その結果入会できる人はほぼいないとまでいわれているのです。
基本的には一般カードである楽天カードや楽天プレミアムカードを持っている人にインビテーションが送られることで入会可能になります。他のブラックカードよりも年間の利用実績や利用年数は比較的ハードルが低く、年間400万円程度を5年前後、2年程度の継続利用などでもインビテーションがもらえる可能性があります。
保険内容
海外旅行傷害保険は最高1億円と安心の補償金額です。家族特約も付帯しており、自動付帯なのも魅力的です。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 1億円 | 1,000万円 |
傷害治療(1回のケガにつき) | 300万円 | 100万円 |
疾病治療(1回の疾病につき) | 300万円 | 100万円 |
賠償責任 | 1億円 | 5,000万円 |
携行品損害 | 50万円(1旅行につき) | 20万円(1旅行につき) |
ラグジュアリーカードと同様ですが、傷害治療・疾病治療の金額が気になります。家族特約では100万円となっており、上記4カードと比較しても一番少ない補償額となります。ただし、年会費3万3千円(税込)でこの保険内容であれば十分な補償といえるでしょう。
国内旅行傷害保険でも、安心の自動付帯で家族特約も付帯しています。これは利用付帯のラグジュアリーカードよりも格上の補償内容であり、大きなメリットです。
補償内容 | 保険金額(本人・家族会員) | 保険金額(家族特約) |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 | 1,000万円 |
入院(日額) | 5,000円 | 5,000円 |
通院(日額) | 3,000円 | 3,000円 |
手術 | 2万5,000円・5万円(手術の種類による) | 2万5,000円・5万円(手術の種類による) |
自動付帯で家族特約が最高1,000万円なのはアメックスセンチュリオンと同額です。手術費用については他のブラックカードよりも金額は少ないですが、自動付帯なので年会費を考えても十分の補償内容です。
楽天市場の利用でポイントが6倍に
楽天ブラックカードの大きな魅力のひとつとして、楽天市場・楽天ブックスでの利用で毎日ポイントが6倍になります。通常は1.0%ですが、楽天カードの利用でプラス2倍、楽天市場アプリ利用でプラス1倍、楽天プレミアムカード(楽天ブラックカード)の利用でプラス2倍になります。上限は15,000ポイントとなりますが、登録無料のプログラムなので気付けばポイントが貯まっているなんてことも。
楽天スーパーSALEでタイミングを見ながら効率よくショッピングすれば通常の20倍以上になることもあり、ポイントを貯める機能がありつつもラグジュアリーなサービスが楽しめるカードになっています。
その他の特徴的なサービス内容
国際ブランドによって、Mastercardコンシェルジュ・JCBプラチナコンシェルジュデスクを利用することができます。また、プライオリティ・パス(プレステージ会員)が無料で発行されます。同伴者2名まで無料なのもうれしいですね。
そもそも楽天カードはWorld Mastercardではないのですが、World Mastercard会員向けの「TASTE OF PREMIUM」を利用できます。ダイニング BY 招待日和では有名レストラン約200店舗にて2名以上の利用で1名分が無料になります。その他国際線手荷物無料・会員限定のコースを利用できる会員制ゴルフをはじめ、さまざまなサービスを受けられます。
JCBではJCBプラチナカードの特典を一部利用できます。レストランでの代金が30%割引になるダイニング30や、JCB特別の宿泊プランであるJCBプレミアムステイプランなどが利用できるようになっています。
デメリット
そもそも年会費が安めなこともあり、サービス内容はブラックカードとしては若干見劣りがするでしょう。名称はブラックカードで楽天カードの最上位とはいえ、プラチナカードの位置づけをされることが多いです。ポイント還元率では楽天グループ各種のショッピングでは大いに優遇されますが、基本は1.0%なのも魅力に欠けます。
コンシェルジュサービスはありますが、24時間対応の海外サポートがついていないのも、ブラックカードとしては中途半端な印象が残ります。楽天には年会費2,200円(税込)の楽天ゴールドカード、年会費10,000円(税込)の楽天プレミアムカードがあり、最上位のブラックカードが果たして年会費を払う価値のあるカードかどうか、サービス内容や利用パターンなどをよく考えてみることが重要です。
まずは一般カードから
現在ブラックカードを所持している方でも、働き始めたころは一般カードを所持していたでしょう。
ブラックカードはインビテーション(招待状)が来ないと作れないものが多いので、本気でブラックカードを狙っている方は利用実績を数年単位で積んでいかなければなりません。
最初は一般カードをもって、徐々にランクアップしていきましょう。
ブラックに化ける一般カード