PSB培養セット

PSB培養セット

PSB培養セット
自社培養した光合成細菌「できたてPSB 500ml」と光合成細菌を培養するための餌「ふやしてPSB 200ml」をセットにしたものです。
このセットで20リットル以上の光合成細菌を培養することができます。

 光合成細菌は水槽の水質環境の改善に効果があるばかりでなく、最近愛好者が急増したメダカの孵化したばかりの稚魚「針子(はりこ)」の初期餌料としても有功です。文献には光合成細菌を餌に混ぜて育てたヒブナの稚魚は生残率が飛び抜けて良いことも報告されています。
あなたの大切な飼育生物を病気から守り、繁殖効率を高めるためにぜひお使いください。

 光合成細菌は菌体密度が高まると、その培養液の赤色(緑色のものもいます)が濃くなることが知られています。市販の光合成細菌も古いものは時間の経過と共に菌体密度が少なくなって色が薄くなってしまいますが、そこへ「ふやしてPSB」を1、2滴投入しますと、数日の内に赤色が濃くなってきます。それは飢餓状態で菌体密度を減らしていた光合成細菌が餌を得て数を増やしたからです。光合成細菌は餌を与えて日光に当てておけば誰でもが増やすことのできるバクテリアなのです。

 
 光合成細菌はこんな場所で活躍しています。

1 光合成細菌は水槽内の飼育生物に有害な物質(アンモニア、硫化水素など)を食べてその毒性を打ち消します。水槽を立ち上げる際、濾過槽の熟成が進まないとアンモニアの毒性で飼育生物に重大なダメージを与えることがありますが、光合成細菌を併用すると安全に立ち上げることができます。本来は酸素の少ない環境で生きているのですが、水槽内のような酸素が豊富にある状況でも、酸素を好む他のバクテリアと共生関係を築き、それぞれが通常の環境下で示す代謝量を上回る相乗効果を示します。

2 光合成細菌の菌体内部やあの赤い培養液の中にはアミノ酸、ビタミン、酵素など光合成細菌が自分の仲間を増やすのに有効な成分が大量に含まれています。これらの成分は水槽内に元々棲んでいて水槽環境を維持している他のバクテリアや微生物の餌になったり、活性を高めたりして、本来の働きを蘇らせます。弊社は今年皇居のお濠の浄化事業を手掛けましたが、そこでも数十トン単位の培養を行い、素晴らしい結果を得ることができました。

3 光合成細菌の体内にはビタミンB12が生物の中では最大の割合で含まれています。ミジンコの培養にはビタミンB12が必須の成分で、これが不足するとミジンコを増やすことができません。稚魚の育成に欠かすことのできないミジンコを大量に増やさなければならない金魚やコイの生産者には光合成細菌は手放すことのできない栄養補助剤となっています。

4 皆さんよくご存じの乳酸菌には「死菌」という商材があります。これはその名の通り、生きていない乳酸菌の菌体を指します。生きている乳酸菌でも、その多くは胃酸の働きで大部分は胃を通過できないのですが、それでも健康増進に効果があることは皆さんも実感されているはずです。それは死んでいてもその菌体内に含まれる様々な成分が私たちの腸内細菌の活性を高めて健康保持に役立つからです。乳酸菌の「死菌」にも活躍の場があるのです。
 それと同様のことが光合成細菌にも言えます。光合成細菌の大部分は淡水の環境下で培養されています。それらを塩分濃度の高い海水の水槽に入れると短時間の内に死んでしまうはずです。それでも明らかに光合成細菌の効果が感じられるのは、光合成細菌が生きて働くのではなく、光合成細菌の体内の成分が海水水槽に棲んでいる有用なバクテリアや微生物の活性を高めるからです。海水水槽で起こることは当然淡水水槽でもそれ以上の効果を伴って起こるとご理解下さい。

5 光合成細菌が最も多く使われているのは農業関係です。土壌の中には放線菌という警察官のような役割を果たすバクテリアが棲んでいます。彼等は病原菌やウイルスをコントロールして植物の病気を防いでいます。田んぼや畑に光合成細菌を撒くと、放線菌が増え病気が減って収穫が増えることが知られています。先進的な農業に取り組まれている農家の皆さんは自分で光合成細菌を培養して大量に散布している実態があります。
 その昔、不治の病と言われていた結核の特効薬として「ストレプトマイシン」という抗生剤が開発され、多くの人命が救われた歴史があります。ストレプトマイシンは放線菌の一種「ストレプトコッカス」属から作り出されました。皆さんよくご存じの腸内細菌「ビフィズス菌」も実は放線菌の仲間として知られています。インドでは伝承医療の一つとして光合成細菌をワインで割って飲む治療方法があるそうです。腸内細菌を活性化して免疫機能を高めるという近年になってやっとわかり始めた人体のメカニズムを昔の人々は経験的に理解していたのではないでしょうか。


 光合成細菌は他の生物に毒性を示したり、環境を破壊したりすることは絶対にありません。私たちのアクアリウムライフには安全で大変役に立つバクテリアなのです。私はちびりちびり投入するよりも大量に投入する方が効果を得やすいと考えています。ところが光合成細菌は決して安いものではありません。1リットル5,000円するものもあります。おそらく開発に多額の経費が掛かり、その培養にも困難を伴うからだと思います。でも再三述べているように光合成細菌は死んでいても効果を示すのです。研究機関が見つけたスーパー光合成細菌でなくとも、光合成細菌でありさえすれば良い可能性が感じられるのです。投入量の勝負であるならば、なにも高額なものでなくても自前で培養した普通の菌株で十分はないかと考える所以です。
 幸いにも光合成細菌は誰にでも増やすことのできるバクテリアです。また増えたかどうかは顕微鏡で覗かなくても培養液の色の変化でわかるのです。これは意外と楽しい作業でもあります。弊社の光合成細菌の餌「ふやしてPSB」は市販されている赤い光合成細菌であれば増やすことができます(緑色は難しい!)。光合成細菌メーカの皆さんごめんなさい。


光合成細菌の培養

 アクアリウムに使う程度の量であれば、炭酸系の清涼飲料水の空きペットボトルが使いやすいようです。空き容器に光合成細菌の種菌を入れ、水道水で薄めて容器一杯にします。上部に少し空間を残しておくと、後日攪拌するときに楽です。ふやしてPSBの投入量は培養容量の1%程度で十分ですが、温暖期は多め、寒冷期は少なめとして下さい。プッシュポンプを1回押すと1mlの溶液が出ます。種菌が生きていれば、すみやかに増殖を始めます。できあがった光合成細菌をすぐに使い切ってしまうのであれば、餌の量は少なくても大丈夫です。長期間保存するのであれば、お弁当として餌は多めの方が色落ちがないと思います。できあがった光合成細菌は冷暗所に保存して下さい。冷蔵庫であれば1年位保ちます。(保つとは餌を与えれば赤味が復活するという意味です。)
 最適な培養温度としては35℃前後が安全だと思います。夏期は温度が更に上がってしまいますので、よしずなどで適当な日影を作ると良いでしょう。一方、寒冷期は全く増えないかというと、決してそうでもなく、時間を掛ければ色は濃くなって行きます。光は良く当たった方が良いのですが、木漏れ日程度でも何とかなってしまいます。
 種菌の量は多ければ多いほどすみやかに元の色まで赤味が増しますが、弊社の実験では時間さえ掛ければ、培養容量の3%程度でも何とかなることを確認しています。興味のある方は弊社のブログコーナー Q&A光合成細菌篇番外編 光合成細菌を増やしてみよう https://www.suisui52.co.jp/blog/1393/ をご参照下さい。

商品URL
https://www.suisui52.co.jp/polysaccharides/49632.html