海外旅行やショッピングなどで手持ちの現金が不足した時に便利なのが「キャッシング」です。クレジットカードを持っていればお金を借りる事ができるので、使った事があるという方も多いでしょう。
同じようなサービスに「カードローン」がありますが、このふたつの違いはどんな点なのでしょうか。
両者の違いと利用方法、注意点についてまとめてみました。
目次
キャッシングとカードローンの違い
クレジットカードを利用するキャッシングの多くは返済方法が翌月一括払いや残高スライドリボルビング払い(リボ払い)に設定されていて、金利が高い傾向にあります。それに対して銀行のカードローンではリボ払いに加えて分割の返済方法も選べ、キャッシングと比較すると金利も安いという特徴があり、借りられる金額も高額です。
キャッシングとは?
キャッシングとは、クレジットカードを使ってCDやATM、口座振込といった方法で現金を借入れできるサービスです。
クレジットカードにはお買い物に利用する「ショッピング枠」の他に「キャッシング枠」という利用枠が設定されていて、その範囲内であれば資金の使途は自由で、繰り返しお金を借りる事ができます。キャッシングの利用枠は多くの場合、カード会社のサイトにあるマイページから自分で設定したり増額する事が可能です。
キャッシングの「一括払い」とは?
返済方法が「一括払い」の場合、利用額と利息の合計を翌月の指定日にまとめて返済します。
利率(実質年率)は、イオンカードの場合7.8%から18.0%となっています。
キャッシングの「残高スライドリボルビング払い」とは?
それに対して「残高スライドリボルビング払い(リボ払い)」は、利用残高に応じて毎月一定額を返済する方法で、一定額の内訳は元金と利息となっています。
例えば、三井住友カードの一般カードで「キャッシングリボ」を利用した場合、利率(実質年率)は5万円から90万円の借入れ時が18.0%、100万円から300万円の借り入れ時は15.0%となっています。
カードローンとは?
カードローンとは、銀行や消費者金融などのノンバンクのカードを使ってCD(キャッシュディスペンサー)やATM、口座振込といった方法で現金を借入れできるサービスです。
キャッシングと比較すると借入れできる金額が多く、三井住友銀行カードローンの場合、契約極度額は最高800万円となっています。
借入れ時の利率(年利)は契約極度額によって異なり、契約極度額が100万円以下の場合は12.0%から14.5%、700万円超800万円以下では4.0%から4.5%となっています。
消費者金融の場合は金利が高めで、例えばアコムの場合、貸付利率(実質年率)は3.0%から18.0%に設定されています。
キャッシングでお金を借りる方法
クレジットカードを使ってキャッシングでお金を借りる方法は簡単ですが、あらかじめ準備が必要です。
三井住友カードの場合、事前にインターネットからキャッシング枠の設定を行ってカード会社の審査に進みますが、審査の際には年収証明書類が必要となる場合があります。
キャッシング枠を増枠する場合も同じように設定します。審査結果は早ければ30分以内に出るので、即日でキャッシングを利用する事もできます。
キャッシング枠の設定が完了したら、クレジットカードを使ってCD(キャッシュディスペンサー)やATMで現金を借りる事ができます。
操作方法は概ねお金を下ろす時と同じなので迷う事はないでしょう。
CDやATMは銀行以外にもコンビニや提携会社にも設置されているので、お買い物のついでに利用できます。ATMの利用には手数料として1万円以下では110円、1万円を超えると220円がかかります。
CDやATMの他には、電話やインターネットから手続きを行い、口座に振り込んでもらうという方法もありますが、インターネットでは回線の状況によっては入金が遅れたり、電話でゆうちょ銀行への振り込みを申し込むと振り込みが4営業日後となる点には注意が必要です。
キャッシングの返済方法
引き落とし
クレジットカードによって引き落とし日は異なりますが、返済方法が一括払いとなっている場合、翌月の指定日(金融機関の休業日の場合は翌営業日)に一括で利用額と利息の合計金額が口座から自動で引き落とされます。
返済方法がリボ払いの場合も同様に指定の口座から自動で引き落とされますが、臨時で返済する事もできます。
早めに返済も可能?
キャッシングの利息は日割り計算となるため、早めの返済がお得です。
三井住友カードの場合、自分のタイミングでATMや振込で返済を行う事も可能で、毎月の返済額を好きなだけ追加して返済する事もできます。
この場合も振り込み手数料がかかります。
口座振込で臨時の返済を行う際は、インターネットから手続きを行います。電話からも手続きができ、インターネットバンキングを利用すると24時間返済が可能です。
口座がある銀行によって申込期限が異なり、三井銀行では引き落とし日(支払日)の2営業日前ですが、信用金庫は6営業日前、記載のないものは約3週間前となっているケースもあるため注意が必要です。
返済が遅れるとどうなるか
キャッシングを利用して、お金を返済しなかった場合どうなるか解説していきます。
①電話や郵便で支払いの催促がある
キャッシングの返済で引き落とし日が過ぎても連絡を入れなかった場合、電話や郵便で支払いの催促があります。
催促があった際、自宅の電話や携帯電話に連絡がつかなかった場合、職場に電話がかかってくる可能性もあるので、勤務先に支払いが遅れていることがバレたくないという人は支払いが遅れた自覚があるなら電話に出るようにしましょう。
②督促状が郵便で届く
その後も返済を行わなかった場合、督促状が自宅に郵便で届く事になります。
③内容証明郵便で催告書が届く(遅延損害金が発生)
督促状が届いた後も返済を行わなかった場合、次に内容証明郵便で催告書が届きます。
内容証明郵便とは、誰から誰にどのような文書が差し出されたかを郵便局が証明するもので、届いていないという言い逃れができないようになっています。
催告書に従わなければ財産の差し押さえとなるため一刻も早く返済を行いましょう。
返済日を過ぎると利息プラス20%の遅延損害金が日数分発生するという点も要注意です。
金利・利息の計算方法
ショッピング枠の一括払いに利息はかかりませんが、キャッシング枠の一括払い(返済)には利息が発生します。
利息の計算方法は簡単です。
借入れ元金×金利÷365日の日割り×借入れ日数=利息となり、例えば10万円を一カ月間借りて金利が18%の場合、100,000×0.18÷365×30=で約1,479円となり、利息との合計は101,479円となります。